【question】
なぜ、なぜ、なぜ?
わからない。どうしてあの人は私を拒むんだろう?
どうして、どうして、どうして?
察して、なんて言われても心が読める訳じゃないんだからわかる訳ないじゃん。
なんで、なんで、なんで?
なんで私はダメであの子はいいの?わからない。
人間に化けるってむずかしいんだな。
【約束】
今、俺は森の中の寂れた教会にいる。
アイツとの、約束の場所。
もし、今日この日までお互いのことを諦められなかったらここに集まろうと約束した。
あの時の俺とアイツは、立場上付き合うことなんてできない関係だったから。
その時からやっと、7年たった。俺たちの関係が許されるようになる日。
アイツが、
俺の主人じゃなくなる日。
約束の時間まであと2分。
「…アイツは、俺のことを諦めたのか」
アイツはいつも5分前行動をするやつだ。
5分前に来ていないと言うことはそういうことだろう
「俺、バカみたいだな。」
帰ろう。
そう思った矢先
「帰るの?」
____アイツの声が、聞こえた。
「…おせぇよ、、ばか」
俺は涙が止まらなかった。
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"アイツ"の性別はご想像にお任せいたします。
【ひらり】
ひらり、ひらり
頭上から落ちてきたのは桜の花だった。
「また、この季節が来たのか」
春は終わり。仲の良かったクラスもみんなばらけるから。
春は始まり。また新しいクラスに変わるから。
春は憂鬱。新しい場所でまた一から居場所を見つけないといけないから。
春は嫌い。強制的に何かになにかをしないといけないように感じてしまうから。
「…なにも変わらなければ、春を嫌いにならずに済んだのかな。」
理不尽に嫌っている自覚はあるが、それでも嫌いなものは嫌いなのだ。
【誰かしら?】
私の運命の王子様は今頃どこで何をしているのでしょうか
私はもうすぐで、18になってしまう。
お父様との約束。
18歳までに運命の相手だという人を見つけなければ、隣国の第一王子であるウェンリー様と婚姻を結ぶという約束。
ウェンリー様とは夫婦より、良き友人でありたい。
なにより、ウェンリー様も私と婚姻を結ぶことを望んでいない。
「…どういたしましょう。」
ひとり思い悩んでいると、ドアをノックする音が聞こえた。
「あら、誰かしら?」
担当メイドのサフィールは執事長と面談のはずだし、この時間には普段誰も私の自室へ近寄ることはない。
「入って構いませんよ」
開かれたドアから入ってきたのは1人の青年だった。
「失礼致します。本日からお嬢様の担当執事を務めさせていただきます。レオパルド・シエルと申します。」
「____!」
直感で感じた、この人だ。私の運命の王子様。
初対面?主従関係?そんなの知ったことじゃないわ。
運命ならそれを乗り越えてこそなのよ。
「レオパルド・シエル様ね、早速だけど、お願いいいかしら?」
「えぇ、なんなりと。」
「ありがとう、じゃあ___」
"私と、結婚してくださる?"
【芽吹きのとき】
花が咲いた。
新しい命の誕生。
才能の開花。
いつか出会うその人のために今日も私たちは、
新しい種を蒔き、美しい花を咲かせる。
枯れたとしても美しく映る花を。