「分からないことや聞きたいことがあったら手を挙げて質問してください。」
「はーい!せんせー結婚してるのー?」
「そういったことはあまり聞いてはいけませんよー。まだ結婚はしてません。」
ねえ先生。
いまここで手を挙げて、わたしのこと好き?って聞いたら、先生は教えてくれるの?
#ルール
「ねえ聞いて~今日デートだったんだけどさぁ」
『どしたー?』
「今日の天気、1週間前から雨の予想だったよね?」
『んー、1週間かは知らないけど、昨日は局地的に雷雨って言ってた気がする~』
「そうなの!雨なの!で、今日どこいったと思う?」
『旅館に泊まるんだ、って自慢してきたよね?』
「旅館には泊まったよ。そのあと行った場所が山でさあ」
『まってw土砂降りの中山行ったってことwww』
「そう!!!天気くらい見ておけよって話!おろしたてのパンプスは泥だらけ、ロングスカートにも泥はねて最悪!」
『www事前に教えてくれれば服装考えるのにねー』
「せめてスニーカー履きたかったわー。あ、最寄り駅着いたからまた連絡するね~」
んーと、ぴに送るのは
「最寄り駅着いたよ!まじ楽しかった。来週どこ行くか考えながら歩くからまたあとで~」
あなたへのLINEに全部を伝える必要なくない?
#今日の心模様
「ほんとうにごめんなさいっ」
何度目の謝罪だろうか。
「本当に申し訳ありませんでした」
口だけなら何度だって謝ろう。
世間から見たら私のしたことは間違っているのかもしれない。
かもしれないではないね。きっと間違っている。
それでも私は間違っていないと思う。
そうでしょ?だってあなたが望んだから。
私はあなたの言われた通りにしたよ。
大好きなあなたに言われて犯罪に手を染めたけど、
地獄でまた会えるならこの先の人生も辛くないよ。
ね?あなたもそうでしょ?
#たとえ間違いだったとしても
こぼれ落ちる。
知識経験記憶までも。
数分前のことは分からない。
数年前のことも分からない。
幼少期のことならなんとなく。
あなたはわたしの大切な人。
あなたから見たわたしは幼なじみ。
#雫
「そういえば今度誕生日だよね。何か欲しいものある?」
「欲しい物はないけど休みが欲しい。一日じゃなくていい。定時退社がしたい 」
「…そっか。難しいけどなにか考えるね」
手元にはナイフ。
休みたい、ただそれだけが欲しいなら、刺してでも休ませようと思っていた。
あなたはギリギリのところで私の人生を救う。
とりあえず誕生日には冷凍食品をたくさん渡そう。
あなたの時間が少しでも増えますように。
#何もいらない