あの日からどのくらいの時が経ったのだろう。

何度も何度も回り道をしてしまった。
そんなことを考えるだけで頭が痛くなるが、まだ長い長い旅の途中。

過ぎ去った時間は帰らないがその積み重ねは無駄にならないと信じてる。

僕は大人になりたくて今までの自分を全て捨てようとした。
毎日機械のように生きるのも悪くないと思って。
でもどこか苦しくて深く深く沈んでいく。

気がつくと僕は知らない場所にポツンと立っていて、目を凝らすと子供が僕に手招きをしている。
その子はこちらに向かってきて僕の手を引いて色々な場所を楽しそうに紹介してくれた。

日が暮れるまで遊んだ公園、自転車で駆け巡った坂道、友人と一緒に買い食いした駄菓子屋…
どこもかしこも懐かしさを感じてなぜか涙が溢れた。
そして僕はこの子に伝えた。

「ありがとう。ボク。」

その子の笑顔がだんだんと見えなくなっていく。

昇っていくような感覚のあと、ゆっくり目が覚めて涙を拭う。

僕は教えてもらった。あの時の心まで捨てるなって。

大人としての責任と子供のままの心を残してまた自分を形作ろうと。

愛の形は人それぞれ
何度も踏みつけられても　罵られても　言葉にできなくても
変わらぬ想いを叫べる私でありたい

私はいつも狭い世界に閉じこもっているゆえ、あなたのような生き方に憧れることがある。
いつか私も羽ばたいていけるようになりたい。