私は選ばれた。次の時代に旅立つ、ノアの方舟計画の対象者に。
戦争で世界は荒れ、環境は破壊され、地球はもう長くはない。
遠い惑星を次の安住の地とする夢を見た人類は、宇宙船“ノア”で星を渡る『ノアの方舟計画』を立案した。
私はあらゆる試験に勝ち残り、その限られた対象者の1人として、“ノア”に乗る。
真面目に勉強し、真面目に生き、決して悪いことはしなかった。他人からはつまらない人生だと言われたこともある。しかし、私はそのつまらない人生のおかげで、この計画の対象者になることができたのだ。人生とは面白いものだと思う。
今、私の目の前には高さ2メートルほどの半透明の青色のカプセルが見える。対象者はこのカプセルの中に入り、コールドスリープの状態で自動運転の“ノア”に乗り、目が覚めたら目的の新天地へ着いている、という計画だ。
私は、事前に飲む薬をゴクリと飲み込み、身体にピタリと張り付く特別なスーツを着て、カプセルへ入り込んだ。
大仰な音を立ててカプセルが閉まる。
この“ノア”は未来への船。
次に目が覚めたとき、私は希望の未来へ辿り着いているはずだ。
新天地と、そこで始まる新たな日々への期待を胸に、私は静かに目を閉じた。
これは戦争だ。
「偵察班、敵の動向は!?」
「こちら偵察班、敵は川辺を南下してきていると思われます!」
「よし、総攻撃をしかけよ!」
「総員!出撃!」
ざわりざわりと森がざわめく。ブンブンと言う羽音。落ち葉の中をかさかさと進む気配。鳥は高く飛び、森中の動物たちが忙しなく動き回っている。
これは、ヒトから静かなる森を守るための戦いだ。ヒトに荒らされようとしているこの森を、皆で力を合わせて守るのだ。
静かなる森へ――。この森に住む生き物達の思いは今、1つになっていた。
夢を描け 後日書きます
届かない...... 後日書きます
芝生の上、大きな木の下で、大の字に寝っ転がってみたい。SNSとか、人間関係とか、めんどうなことは全部忘れて1人で過ごすの。
たまにやわらかい風が吹いて、さわさわ葉が揺れて、キラキラの木漏れ日も芝生の上で踊るんだ。それらを感じながら、私は微睡むの。
そういうのってまさに平和って感じで良くない?
実際は、そんなことができる場所も時間もなかなか無くて、夢でしかないんだけど。
目を閉じて、キラキラの木漏れ日をまぶたの裏に幻視して。
空想するだけで少し、気持ちが穏やかになる気がするんだ。