7/24/2023, 1:04:11 PM
「また、君に会いたい」
そんなことを思った、7月24日午前0時。
宝物である時計が、チッチッチと規則正しい音色を奏でている。
7月24日と25日をつなぐ、大袈裟に言うならば奇跡の時間。
たった今始まった今日は、君の命日だ。
一年前の今日、私を守るため自らを犠牲にした君。
私は、あの時の君を、カッコいいとは思えない。
目から光を喪い、どんどん冷たくなっていく君。
君がこの世からいなくなった。
という紛れもない事実を知らせるかのように降り出した雨。
いつもなら鬱陶しさしか感じない雨に、初めて感謝を覚えた。
雨が、現実を暈してくれているようで。
彼のいない世界を、否定してくれているようで。
ねえ。
いつもなら10時前には深い眠りにつく私が、どうしてこんな時間まで起きていたと思う?
眠くて眠くて、今にも微睡みの中に引きずり込まれそうなのを必死に堪えて立ってるの。
...今夜、君に会える気がしたから。
前に言ってたよね?
「もし俺が死んだら、一番最初に会いに行くよ。君にね」
って。
私、それを信じてずっと待ってるんだよ。
この無限に広がる星空の下で、私は、ずっと君を待ち続ける。
もし、いつか帰ってきたら、君の好物のアップルパイを焼いてあげるよ。
友情と、感謝、そして、とびきりの愛を込めて。
風がサラサラと音をたて空中を流れていく。
今会えずとも、いつか必ず会える。いや、会ってみせる。
そう、心に決めた。
光輝く星空の下、『ありがとう』そう囁く君の声が、聞こえた気がした。