『明日、もし晴れたら』
ふわりと香る、雨の匂い
可憐に咲く、色とりどりの花たち
明るく響く、君の澄んだ声
あの花屋は僕のお気に入りの場所の一つ。
いつ行っても変わらず居心地の良いところなんだけど、
雨の降った次の日に行くのが特別いいんだ。
たまに行くからっていう良さもあるんだけどね。
そういう楽しみもあるから、雨の日はそれほど憂鬱には感じない。
今日は雨か。明日はどうだろう。
…明日、もし晴れたら
久しぶりに行ってみようかな。
『私だけ』
皆の話についていけなかったとき
皆が楽しんでいるのに楽しめなかったとき
皆が笑っているとき
皆が盛り上がっているとき
皆が自分と違うとき
ふと、自分だけが取り残されているような気がして
自分だけが余っている気がして
何度か不安になって、ちょっぴり悲しくなる
『私の名前』
私と同じ名前、世界にたくさんいるんだろうな。
紛らわしくて分かりづらい。
文字数が少なくてアレンジもできないから、皆同じ呼び方。
何でその名前にしたかって言うとね、最初に見たときに「白い」って印象が強かったからなんだって。
この名前は世界でたくさん使われているけど、あの人に名付けてもらったのは私だけなの。
だからすごく気に入ってるんだ。
「シロ!」
あ、呼ばれたみたい。は〜い、今行くよ!
「ニャァ〜」
『1件のLINE』
ピロンッ♪
…LINEか。
私は重い体をできるだけ早く動かしてLINEを開いた。
「おすすめスタンプ―」
公式かいっ!!
たった1件のLINEでここまで一喜一憂するのは、
君のせいなんだろうなぁ
『七夕』
織姫と彦星は多分、1年でこの日を一番楽しみにしてるんだろうな
普通は浮気とかしたくなるものなんだろうけど、
ずっとお互いを想いあって
ずっとこの日を待ち続けて
ずっと愛し合ってきた
…いいな
早く来ないかなぁ
私の彦星(笑)
ま、私だったらどうにかして天の川を超えて、彦星を迎えに行っちゃうけどね〜
『この道の先に』
進むことはできても、決して戻れない道
止まれるのはほんの一瞬で、必ず一定の速さで進まなければいけない道
この道の先には、皆同じものが待っている
ただ違うのは、その道のり
良い景色、悲しい匂い、嬉しい音、苦しい風…
スタートは全員一緒だけど進む道が同じ人は誰一人いない
一人ぼっちで自分だけの道を歩まなければならない
この道の先には、僕の望む答えがあるのだろうか
この道の先には、僕の求めているものがあるのだろうか
さて、今日もまた、「人生」という長い道を歩き始めよう