好きな本、ね…
あるにはあるけど、一番かって聞かれたらそうでもない。
ラノベも好きだし、童話も割と読んだりする。マンガも好きだしクイズ系もイケる。…あ、でも伝記とかは読まないかなぁ。何だかよくわからなくてさ。
本ってすごいよな。ただの文字の集まりなのに主人公の気持ちとかその時の景色とかが簡単に想像できるし、自分もそこにいるみたいな気持ちになれるし。
俺にはまだ、一番好きだって堂々と言える本は無いけどさ好きだって胸を張って言える本はたくさんたるんだ。
『あいまいな空』
今日は修学旅行最終日。
最初は面倒くさいと思っていたけれど、案外楽しかった。
グループのみんなと他愛のない話をしながら、いつ、誰が何
のために建てたのかよくわからない寺だの神社だのを見な
がら歩いていた。今日は気温が高く、僕は汗びっしょりに
なっていた。時間が過ぎるのは案外早くて、もう帰る時間
だとというのが信じられなかった。そもそもここが別の土
地である実感すらまだ湧いていないのに。それから新幹線
に乗って家に帰って…
見慣れた街並み、馴染みのある景色。帰ってきたんだと改
めて実感する。見上げた先には晴れとも曇りとも言えない
ような微妙な空が広がっていた。帰ってこれて安心したよ
うな、まだ帰りたくなかったような。楽しかったような、
あまりいい思い出では無いような。
この先晴れになるのか雨になるのか、それとも別の天気に
なるのかは、誰にも分からない。
『あじさい』
あじさいは、別名「七変化」というらしい。理由は、花の色がよく変わるからだそうだ。青、紫、ピンクに白。
紫陽花の色が、夏を彩っていく。夏が、僕の心に色を塗っていく。
『街』
この街のことを、私は何も知らない。
名前の由来も、歴史も、広さも。
多分この街も、私のことを何も知らない。
どんな性格をしていて、どんな人生を歩んできたのか。
それでも、私はここにいる。
「なんとなく」は、好きの理由になるだろうか