12/1/2024, 4:06:01 PM
7つ歳上の秋元さん。冷たい態度だけど天然な彼女はとても魅力的だ。会えばイケナイことをする関係ではあるが、心の距離は近いのか分からない。彼女は今日も何日も替えていない漆黒のストッキングを纏い私に会いに来る。それが私が好きだからだ。清楚で冷徹な彼女が私のためにそうしていると考えるととてつもなく幸福だ。
いつもの通り私は床に横たわり、彼女が黒のパンプスをゆっくりと足から外し、その隙間から数日間彼女の足で熟成された湿気が私の鼻元にまとわりつく。
「これだ」
私はこの香りに屈する。容姿に見合わない臭いに頭を揺さぶられながら、内緒の夜は過ぎていった。
強気な眼差しの中に恥じらいがある彼女の表情がたまらない。ただ、私と彼女はお互いにパートナーがいる。
この距離感がたまらない。この距離感でなければ成り立たない。
少し酸味がかった香りが、思考を止まらせた。
10/10/2024, 5:06:19 PM
【涙の理由】
秋元さんがくれた靴下を無くしてしまった。仕事終わりに脱いで直ぐに渡してくれた黒い靴下。ナイロン生地の蒸れた靴下。もう二度と嗅げないあの靴下。