瞳をとじて
はい。おやすみなさい。
あなたへの贈り物
お題いただきました!
午後7時。3つ目のお題がきた!
「あなたへの贈り物……?」
S子は眉間にしわを寄せ、真剣な顔つきで考えはじめる。
S子は昨日「書いて」というよくわからんアプリ(「お題出してやるから何か文章書いてみろw」の略だと思うけど違うかもしれない)をインストールした。
このところなんだか冬に閉じ込められている心地がして、何か新しいことをしなければこの憂鬱さからは逃れられない、と思っての行動だった。
さっそく初めてのお題(「明日に向かって走れ、しかし」)を気軽に1行思いつきで書いてOKボタンを押したら、それが投稿ボタンだったと判明してびびったのである。
2つ目のお題「NC旋盤」には苦労した。NC旋盤。S子の生活ではまず使わない言葉である。しかしS子は意地っ張りなので、スルーしようとは思わなかった。このお題、全力を出して取り組まねばならない。
先日読んだ小説家のエッセイに、『何も思い浮かばないときでも机の前に2時間座っていれば何かしら出てくるものだ(屁が)』とあったことに勇気を得て、私はその倍以上考えなければ出てこないぞと、睡眠中の8時間えんえん考えていたのである。考えてこれかよ。
とまあ、それはさておき、本日7時が来るのをS子は待ち遠しく思っていたのだ。その時間。それすなわち贈り物ではないですか。だって昨日までの憂鬱さがどこかにいってしまったのだから。お題。ああ、いいプレゼントだな。
羅針盤
ねえ、どこへ行くの?
私たちはどこへ向かうんだろう?
百年後
千年後
それより先
もっともっと先
世界はどうなっているのかな?
人類の行く先を示す羅針盤があったなら
どんな未来を指しているのか見てみたい
だけどそんなものはないんだ
私たちはみんな消えてしまう
つまらないな
つまらないよね
見届けられないなんてね
明日に向かって歩く、でも
歩かなくたって明日は来る。