どこかに忘れられている

キラリと光るそれを

見つけるためには

もう一度

心の迷路の奥深く

迷い込まなくちゃいけないの


………心の迷路

お気に入りの

ティーカップは

戸棚の奥に

仕舞ったまま

紅茶に映った

あの夜の月を

思い出さずにいられないから


………ティーカップ

何も言えない

声を漏らしてしまったら

寂しさに

きっと溺れてしまう


………寂しくて

一度引かれた境界線は

なかなか消すのが難しい

それでも消せないわけじゃない

消せばいいってものでもない


………心の境界線

だれにでもある

透明な羽根に

気づくかどうかは

その人次第

飛ぼうとするかどうか

たったそれだけ


………透明な羽根