胸の奥の

ほんとのほんとが

闇に溶け出しそうになる

口をつぐんで

押し込めてみても

灯火を囲んだら

抗えなくなる


………灯火を囲んで

ぬくぬくを

少しずつためて

冬に纏う

そしたら寒さも

悪いもんじゃない


………冬支度

時を止めて

今この時の

風の匂いを

感じていたい

もう少しだけ


………時を止めて

ちいさなちいさな

星屑たちが

秋のだれもを

しあわせにする



………キンモクセイ

心が躰からこぼれそうなほど

強く熱く願ったのに

すました顔で頷くだけで

あなたには届かなかった


………行かないでと、願ったのに