黒衣 結生

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12/8/2024, 7:17:22 AM

良い子はもう寝る時間?
私は悪い子だから寝なくていいみたい

お母さん、絵本読んで?
母は線引くように扉を閉めるの

お父さん、暗くて怖いよ
父の睨みつける目より怖いものはない

いつまでもいつまでもあの夜をくりかえす

この部屋のベッドの片隅で
涙なんて流れなかった



#部屋の片隅で

8/22/2024, 1:49:37 PM

何事にも裏はある

光に闇があるように
朝に夜があるように

笑顔に涙があるように
優しさに怒りがあるように
怒りに苦しみがあるように

知っているけど、分からない
分からないから 知りたい

どれだけ嫌でも暴いてみたい
私を隠しながら

そっとひらいてみるの
背徳と期待の上で綱渡りをしながら


裏返し

8/10/2024, 3:44:41 PM

今日も降りられなかった

一等星が輝く頃、子どもも大人もみんな降りていく
まばらになる影 響く足音は遠のいて

あぁ、今日も気付けば独り
あぁ、もうしゅうてんだ

「お出口はこちら」


#終点

7/26/2024, 7:26:19 AM

憐れだな

私がいなければ生きられない
扉をこじ開ける力もない

ただ首を傾げるだけ その姿は可哀想
ただ一つ許された唄を歌うだけ その姿は可哀らしい

「かわいいね」
そうっと頬の温もりを感じるの

『あなたは可哀想ね』




#鳥かご

7/24/2024, 7:03:51 AM

花はどんな時が美しいのだろう

朝露をあびて花開く時という人もいる
その人はきっと花の努力を知っている

花弁の一枚すら慈しむその時という人がいる
その人は光に向かい上をむく花の勇気を知っている

最後の欠片が散り去る時という人もいた
その人は喩え誰も知らなくとも未来見据える花の希望を知っている

私も一枚、また一枚と智を知った
あぁ、やはり花はひとつとして同じものなく美しいのだ

”花咲いて

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