『スマイル』

君への想いはどこにも書けません。
人に知られてはならぬものですから。

君との思い出も何処にも遺しません。
全て抱えて墓の下まで持って行くと決めているのです。
ぜんぶ全部、僕だけのもの


『どこにも書けないこと』

ソファの背もたれに頭を預けて眠る貴方の喉仏に掠めるだけの口付けを

貴方に気付かれないように、今日も独占欲を拗らせる。

『Kiss』

忘れないでなんて言える程、貴方の中に俺はいないのでしょうね。
それでも俺の中に貴方はいっぱいで、忘れようもないのです。

『勿忘草』

揺らしたら、その分反対へ振れる幅は同じなのだと思っていた。
人の気持ちは物理法則の通りに動かないなんて、誰も教えてくれなかった。

何年ぶりかに一人で乗るブランコはやっぱり前後に同じだけ動いてゆっくり止まった。

『ブランコ』