八色鵺

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8/31/2024, 2:33:15 PM

─── 不完全な僕 ───


僕には足りないものがある
とても複雑で
簡単に教えられず
作る事も難しいと彼は話す

それはココロ

心があれば
感情があれば
今と何が違うのだろう

知りたい
でも彼はそのせいで悩み苦しんでいた
たとえ心を作れたとして
僕に与えていいものかと

また錠剤を口へ運び
ベットに横になる彼を見守りながら
僕は計算する


僕に足りない最後の一つ

貴方が苦しむくらいなら
僕は心なんて要らない

8/30/2024, 2:06:06 PM

─── 香水 ───


人工的な香りが好きじゃない

自然のままが一番好き

ある程度は仕方がないと思ってるけれど
洗髪剤に柔軟剤に化粧品に香水に
混ざりに混ざったクラスメイト達のにおい

正直くさい

纏まりがないだけじゃなく
本当に重なりまくってたから

冬のあの空間は地獄でしかなかった

8/29/2024, 2:30:56 PM

─── 言葉はいらない、ただ・・・ ───


曖昧なものはいらない
必要なのは本心だけ

恋することが罪だとか
愛することが罰だとか

考えたって無駄

ただ黙って私を見つめて
誰よりも激しく
熱い唇を重ねてくれたら

それだけで十分


特別な愛なんていらないから

8/28/2024, 2:21:57 PM

─── 突然の君の訪問。 ───


淡い月明かりを身に纏い
君は僕に会いに来た

昔見た時と同じ姿で

迎えに来てくれたらしい
わざわざご苦労だね

誘われるまま手を取り
眠れぬ夜にさよならする

窓から旅立つ間際
ベッドの上を目の端にとらえる


淡い月明かりに照らされて
眠る僕がそこに居た

8/27/2024, 2:24:54 PM

─── 雨に佇む ───


湖に浮かび
雨に打たれる君は

息を呑むほど美しく
とても儚い存在だった

君しか眼中にないと気付いた時には
もう手遅れなんだ

惑わせ
誘い
導かれる

それがあの人の目的

人ではない者に心奪われ
喰われる事が幸せなのだと錯覚させる

目線を落とすと水面は胸元まできていた

僕は歩く足を止めなかった

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