黒蜜きなこ

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9/4/2024, 4:21:10 PM

[きらめき]

ある夏の日
君と私は旅行へ行った

前日まで台風がくるという予報が出ていた
天気も大荒れらしい
ずっと前から楽しみにしていたから
てるてる坊主を作ってお願いした

旅行の日
朝は曇っていたけど
昼前には快晴だった
「神様に願いが通じたのかな?」
と私が言うと
「俺の日頃の行いだろ」
と君が笑う

目的地につくと
君が写真を撮っていた
君に太陽が反射してきらめいて見えた
私はそんな君を撮りながら願った

こんな何気ない時間が
ずっとずっと続きますように

反射してきらめいてる君がとても眩しく思えた

9/4/2024, 8:44:52 AM

[些細なことでも]

君はいつもそっけない
「バイバイ」って言っても目を合わせない
話しかけても
スマホで漫画を真剣に読んでいて
「ん?なんか言った?」
って聞いてくる
LINEをしてもスタンプだけの時もある

きっと私の事もう好きじゃないんだ
私はそう思った

好きって言って欲しい
可愛いって言って欲しい
もっと会いたい
もっとLINEしたい
付き合う前にみたいにもっともっと
ラブラブでいたい
いつしか私はないものねだりになっていた

ある時些細なことで喧嘩をした
そこから2週間口をほぼ聞いてくれなくなった

LINEもしない
挨拶も他人行儀
そして私に見向きもしない

そこで私は気づいた
彼は私のことちゃんと好きでいてくれたんだ

そっけなくても
スタンプだけでもLINEを返してくれる
忙しい中時間を作って会いにきてくれる
「バイバイ」って言って目を合わせてくれなくても
「気をつけて帰れよ」って絶対言ってくれる
ご飯のお金だって
「貧乏人は奢られとけー」
って私に出させない
そして私の好きなジュースを買ってきてくれている
私の悩み事も、
「結局どうなったの?」
って聞いてくれる

君は君なりに私を好きでいてくれていた
ないものばかりを数えて
今ここにあるものは数えることが出来ていなかった

些細なことでもたくさん
私のことを好きな証拠はたくさんあったのに
私は気づくことが出来なかった

それさえもなくなって気づく
ごめんね
好きでいてくれて本当にありがとう

8/31/2024, 10:40:43 AM

[不完全な僕……]

僕はいつもそうだ
少しでも嫌なことがあるとすぐ考え込む
人と比べては落ち込む
考え込みたくないのにいつも何かを考えている
むしろ考え込むことの天才かもしれない

どうして生まれてきたんだろう
どうしてこんなに苦しいんだろう
どうしてこんなにきついんだろう
どうしてこんなに不安なんだろう
考えても無駄なことばかり頭の中を支配している

いつも僕は不完全な僕のことを
無意識に痛めつける
「どうしてこんなこというの?」
「どうしてこんなことも出来ないの?」
「僕なんかいなくなればいいんだ」
「本当に使えない」
頭の中で無意識に罵声を僕自身に浴びせている

そんな僕は
自分自身だけでなく大切な人のことも傷つける
言わなくていいことを言って
感情的になって当たって
後からたくさん後悔する
どうして大切なのに傷つけてしまうのだろうか

でもある日僕はある人に言われたんだ
自分のことを大切にできない人は人のことも大切にできないと
自分のことを好きにならなければ人のことも好きになれないんだよって

そっか……
僕は自分を無意識にたくさん傷つけていた
言葉のナイフで刺し続けていたんだ

僕は自分自身に謝った。
今までたくさん傷つけてごめんね。
もう自分をいじめるのはやめるね
完璧じゃなくていいんだ
人間はみんな不完全なんだから

僕は誓う。
僕自身のことも大切な人のことも、
大切にして……そして絶対幸せにするって。

今からでもきっと遅くない

8/30/2024, 4:14:05 PM

[香水]

ある時の誕生日
君が買ってくれた
君とお揃いの香水

いつも何考えてるかわからない
口下手で天邪鬼で不器用な君は
物で愛を伝えてくる

いつもつんつんしてるのに
「お揃い」ってところが
らしくなくて可愛くみえてくる
「お揃いってことは私と同じ匂いがいいんだ」
ってからかうと
「そんな訳ない」と
鼻で笑った

君はいつももそうだ
冷たいフリをする
私に興味無いフリをする

でも本当は私のことちゃんとよく見てる
髪型もネイルもそしてマツエクも
前髪を少し切ったときでさえも
寝不足で空元気の時も
私が元気ないときも
全部君は気づいてる
でも伝え方はいつも口下手だ


何かの本に書いていた
香水をプレゼントするのは
香りで相手を独占したいという気持ちが含まれていると

伝え方が本当に不器用だ
そういうところが君らしくて私は好きだ



8/29/2024, 2:50:30 PM

[言葉はいらない、ただ……]

言葉はいらない、ただ……
そばにいてくれたらそれだけで良かったのに

一緒に過ごすうちに
君の存在が当たり前になっていって
周りと比べて
どんどん無い物ねだりになっていった

君がしてくれたことじゃなくて
してくれないことを数えて
数えるたびにどんどんすれ違っていく

「今日は喧嘩しない」
そう決めて会いにいっても
小さなことでまたすれ違う

「こんなはずじゃなかったのに」
「本当は仲良くしたいのに」
「きっともう君は私のこと嫌いになったのかもしれない」
どんどん悪い妄想を繰り返す

心の中では
「そんなこと言っちゃダメだ」
わかっているもう1人の私が全力で止めている
ああそっか、
私はきっと君に甘えているんだ
君ならなんでも受け止めてくれる
君ならこんな最低な私でも受け入れてくれる
勝手にそんな期待をしている

そこまでわかっているなら変わろう
君のためにそして自分自身のために…



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