遠くにいるのに聞こえてくる声。私のことを見てどうした！！あちこちから聞こえてくる声。そんなに私が醜いか！！もう誰にも見られたくない会いたくない。外に出たくない。逆自信家の被害妄想。

年度始めはその1日前と全く異なる雰囲気を帯びている。世の中全体が全てを一新するぞと言わんばかりの勢いを醸し出している。それはおそらく新年度の始まりには色々な「はじめまして」が待っているためだ。はじめて受ける授業、はじめて会う仲間、はじめての経験や仕事。年明けの新しい気持ちとはまた違った新しい気持ちを味わえる。これからどんな「はじめまして」が待っているのだろうか。

春風とともに運ばれる樹木由来の微小粒子。一粒一粒に害はないが、大量のそれに曝露することで引き起こされる症状。花粉症。

春風とともに呼び起こされる部屋の隅の害虫。一匹一匹に害はそれほどないが、大量に繁殖されることで引き起こされる症状。ノイローゼ。

私はいつからか、涙を流せなくなっていた。独りぼっちの虚しい毎日。喜びも悲しみも怒りもない。ただただ時間の流れに身を漂わせて生きる。感動的な映画やドラマを見ても、先輩や後輩との別れの時も涙が出ない。そんな自分を認知すると、より一層虚しくなる。なぜだろう。周りの人間は泣いているのに私だけどうして泣けないのか。

ある日、涙が出ない理由をネットで調べた。ゲームのやり過ぎによるドライアイが原因らしい。別方向の虚しさが込み上げてきた。

日々の小さな幸せがたくさんあると、大きな幸せなんかいらない気がしてくる。