未来への船
平和に進んでいるかと思えば
突然とくる嵐
目的地がわからなくて
ただただ広大な海を彷徨う
船を漕いでると、腕が痛くて痛くて
つい止めてしまいたくなる
あぁ、ほんとに人生みたい
船を後ろ向きに漕いでるとさ、進む道なんて見えない
だから、前を向いて進まないとね
たとえ、どんなにつらくて、苦しくて、
死にたくなるような毎日でも
"夢を描け"
『将来の自分』
『なりたい自分』
そんなお題に、なんの意味があるの?
先生の説明を聞いてから、約十数分は経っただろうか
周りの友達は、
『◯◯になりたい』『◯◯とか良くない?』
なんて、楽しそうにお題に沿った絵を描いている
うるさい、うるさい、うるさい…!
そんな、の、ただの…、ただの妄想だ、
そんな簡単に…
なりたい自分になれるなら、わたしは…
わたしは、きっと今ごろ、、
涙が溢れそうなのを必死に抑えて、
それに加え、真っ白なスケッチブックに見て
心が締め付けられそうになった
顔を俯けて、膝の上に置いていた両手を
さらに、強く握りしめた
『あれ?大丈夫?』
隣の席の子が心配そうに、尋ねてきた
あぁ、その声すらイライラしてくる
でも、わたしは静かに大きく息を吸って
大きな笑みを顔を浮かべた
周りからよく称賛される笑顔
わたしがしないといけない笑顔
『うん!大丈夫!ありがとー!』
ああ、これでいいんだ
これが今のわたし
"夢を、描け"
"未来を描け"
未来なんて…、ないのにね…笑
手紙を開くと、そこにはたったの9文字
『 ごめんね
ありがとう 』
溢れ出てくる涙が、
どんどんわたしの頬を濡らしていく
どうして…、
こんなにも好きなのに…、
あなたのことを考えるだけで
わたしの人生は明るくなって
あなたのことを想うと
なんどもできそうな気がする
大好きなのに…
こんなにも、愛しているのに、、
すれ違っていく、わたしとあなた
これまでの過ごした日々が、
まるで…、なかったように、
もともと存在しなかったように
あなたにとっては、
それだけの思い出だったっこと…っ?
嫌だよ…、
わたしは全部覚えてる
あなたと出会った日も、恋人になった日も、
初めてデートした日も、初めてキスをした日も、
全部、全部、わたしの大切な思い出
それでも…、
どれだけわたしがあなたを想っていたって
その瞳にわたしが映ることはもうないんだね…、?
もう、決して交わることのない視線
もう、決して見ることのできない、あなたの笑顔
もう…、決して望んではいけない、あなたからの愛
溢れ出てくる涙を止めることができなくて、
真っ暗な部屋に、わたしの嗚咽だけが音を立てる
青い、青い、この大空
怖いくらいに美しいこの大空
世界のすべてを繋ぐこの大空
もしも、この大空に神様がいるならば
お願いだから、わたしの話を聞いて、、
どうか…、あの人を安らかに眠らせてあげてください
どうか、どうか…、あの人が、来世では幸せに、
自分の人生を全うできますように
その隣に…、わたしはいなくてもいいから…
静かに流れる、透明の涙が
太陽の光に反射して、輝いていた
この光があなたに届きますように…
この怖いくらいに綺麗で、美しい大空
わたしから大切な人を奪ったこの大空
…わたしが大好きで、大嫌いなこの大空…