12/7/2022, 12:22:03 PM
部屋の片隅で。
冬は布団に籠っていたい。きっと誰もが思ったことのある希望だと思う。
毎朝、学校、仕事、娯楽。どれにしたって始まりがある。自分の体温で温まった布団みたいに、穴熊が籠る冬眠中の寝床みたいに、幸せな気持ちが詰まった夢の中。この隅の奥の中の中でいつもいつも閉じこもっている本心のように、固く脆く歯ぎしりをしている奥歯のように、溶け出すことを知らない私はまだ、部屋の片隅。
溶け出たいと思う。何を使っても、誰を使っても。だけど、戻ってきたいとも思う。あの場所は自分の帰る場所だと、片隅が生きてきた証なのだと、誇りを持って胸を張ることができるように。
そんなことを部屋の片隅で悶々と考えるのは、今しか出来ない幸せだと思う。
12/6/2022, 12:19:13 PM
逆さま。
人は逆さまにはなれない。家を守るヤモリみたいに、アクロバットをする航空機みたいに、人は自分一人では逆さまにはなれない。これは考え方も同じだと思う。今、自分が正しいと思っていることを、自分一人の枠組みの中で間違っているかもしれないという考えは生まれない。必ず何か、誰かの影響を受けて歪みが生まれ、変化が起こる。つまり、逆さまになる。でもこれは、宙ぶらりんなものでもないし、地に足が着いていないって事でもない。ただ、逆さまになっただけ。白と黒の間にグレーは存在しないように、子供と大人の間に学生が存在しないように、ハッキリと天と地を分ける。上と下を分ける。私は早く逆さまになりたいと思う。逆さまになればきっと、この日々溢れんばかりの無音が楽しめるはずだから。逆さまになれば、目を閉じたままでも前が見えるはずだから。