終点
「は〜疲れたぁ」
そんな事を駅のホームに小さくはき、今日も電車に乗り込んだ。
私が降りる駅は終点の"天上"駅だ。私が乗るこの時間帯は誰一人として乗っていないのだが、今日は一人の女性が乗ってきた。駅名は"天使園前"駅だ。お、珍しいな!と思ってついついジロジロ見ていたら、それに気がついたのか私に
「あなた、よくここまで頑張ったわね」
そう話しかけてきた。私は何のことだ?と思っていたら続けて彼女が
「そんなあなたに、プレゼントを用意してきたの!渡したいからこっちに来てくれる?」
と言った。私はこの27年間女性を見たことも、話したこともなかったのでどうしたら良いかわからず警戒しながら近づいていった。しかし、初めて見た女性に見惚れて行きその警戒もなくなり、淡々と近づいていき女性の目の前についたところで向こうから話しかけてきた。
「ありがとう。じゃあプレゼントあげるね!」
そうしてワクワクしていた所を斬られた。
「ふふ、一緒に逝こう?」
そうして私は亡くなった。
「終点〜天上〜天上〜
お忘れ物が無いようご注意ください。本電車をご利用いただき誠にお礼申し上げます。繰り返します。終点〜· · ·。
(フィクションだよ!)
上手くいかなくたってもいい
上手くいかなくたってもいいじゃないか。
世界には人生に収まりきらないくらいたくさんの物が埋まっている。
一個失敗したからなんだ。十個失敗したからなんだ。
そんなの、世界規模で見ればほんのミリたることだ。いちいち気にすんな。
頑張れ…
蝶よ花よ
蝶よ、どうしたら空を飛べるのですか?
花よ、どうしてそんなに美しく、役に立てるのですか?
そう問いかけたって返事はない。
私達が求めている物は教えてくれない。自分で試行錯誤しながら、探していくしかないのだ。
太陽
太陽のように輝いてみたい
みんなから注目されたい
そんな思いが私を駄目にする。
鐘の音
ある日の夜、私は眠れずにいた。そこで私は水を一杯飲めば眠れるだろうと思い冷蔵庫にゆっくり向かった。冷蔵庫に無事辿り着き、冷蔵庫を開けようとした瞬間「ゴーン」と鐘の音がした。私は無意識にその正体が気になり、窓のカーテンを開けた。そこで私が目にしたのは、二十代くらいの女性と、小さい3歳くらいの子が鐘の隣に立って一緒に鐘を鳴らしている姿だ。私は不思議に思った。なぜ二十代くらいの女性と一緒に3歳くらいの子が一緒に鐘を鳴らしているのか。
そこで私は、どうせ寝れないしと散歩がてらその2人になぜ一緒にいるのか聞いてみようと思った。なぜなら私からしたら親子には見えなかったからだ。後なんで何度も何度も鐘が大きな音でなっているのに、僧侶が注意しないのかも気になる。そして寺に着いて、私は二人に話しかけた。
「すみません。突然で大変恐縮ですが、お二人は親子の関係なのでしょうか。」
その言葉を聞いて女性が喋り始めた。
「違いますよ。あと、そんなに堅苦しくしないでいいですよ。」
「わかりました。なら、なんであなた達は一緒に鐘を鳴らしているの?」
その女性は恥ずかしそうにこちらを見たが、少し深呼吸をし、話し始めた。
「私は昨日の昼間、会社の一室で私の彼氏と私の同期の子がいちゃついているのを見て、嫌になって、心を落ち着かせたくてここに来たのよ。この子はここに来る途中話しかけて来て一緒に来たってわけ。」
そう話し終わると今度は男の子が私のズボンを引っ張ったので、私はしゃがんだ。そうしたら男の子が私の耳元で小さな声で話し始めた。
「僕はこのお姉さんの顔が綺麗だったし、優しかったからついてきたんだ。可愛くて好き…」
私は心のなかで多様性だからあまり否定はできないが、すっげー不純な理由だなと思った。子供も私と見てるところが一緒だったのもあってより引いた。なにはともあれ気になっていたことの二つは解決した。残りはあと一つ。なんで僧侶が注意しないのかだ。それについて女性に聞いてみたら、あっさり返事が返ってきた。
「ここのお寺は二十四時間三百六十五日ずっと出入り自由なお寺なのよ。入口にも張り紙貼っていたはずだけど…」
そんなコンビニみたいなことあるかよ…
落ちが最悪だったので私は家に戻って、コーヒーでも飲むことにした。