平 夏希

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終点

 「は〜疲れたぁ」
そんな事を駅のホームに小さくはき、今日も電車に乗り込んだ。
 私が降りる駅は終点の"天上"駅だ。私が乗るこの時間帯は誰一人として乗っていないのだが、今日は一人の女性が乗ってきた。駅名は"天使園前"駅だ。お、珍しいな!と思ってついついジロジロ見ていたら、それに気がついたのか私に

「あなた、よくここまで頑張ったわね」

そう話しかけてきた。私は何のことだ?と思っていたら続けて彼女が

「そんなあなたに、プレゼントを用意してきたの!渡したいからこっちに来てくれる?」

と言った。私はこの27年間女性を見たことも、話したこともなかったのでどうしたら良いかわからず警戒しながら近づいていった。しかし、初めて見た女性に見惚れて行きその警戒もなくなり、淡々と近づいていき女性の目の前についたところで向こうから話しかけてきた。

「ありがとう。じゃあプレゼントあげるね!」

そうしてワクワクしていた所を斬られた。

「ふふ、一緒に逝こう?」

そうして私は亡くなった。







「終点〜天上〜天上〜
お忘れ物が無いようご注意ください。本電車をご利用いただき誠にお礼申し上げます。繰り返します。終点〜· · ·。


(フィクションだよ!)

8/10/2024, 2:35:19 PM