今年も無事に新しい年を迎えられそうで本当に良かった。
1年間を振り返ると、色んなことがあったな。苦しいことも、楽しいことも。

まだ割と鮮明に残っている記憶も、時が進むにつれて薄れていくのだろう。
私が感じたことは自分の中で生き続けていくのだろうけど、細かいところは大体忘れられてしまうんだろうな。

1年間を振り返るということは、思い残しや目標を再認識するためだけじゃなくて、無事にここまで生きてこれたことを実感し、いずれ忘れてしまうであろう全ての出来事に感謝するためでもある。

仲良くしていた人がなんのお別れの挨拶もなしに行ってしまうのは、薄情じゃない？

多分最も親しまれているであろう果物、みかん。世代を越え、国境を越え、季節を越えて愛される、みかん。可愛らしい名前でもある、みかん。

思えば、ありとあらゆる場面にみかんはあった。

給食の冷凍みかん。皮むき競争で散々遊んだみかん。試験前に母が持たせてくれたみかん。病気のとき唯一口にすることができたみかん。お正月にテレビを見ながら家族と食べたみかん。何気に美味しそうに見えた鏡餅のプラスチックのみかん。

そんなみかんを通して記憶を辿る。

変わらないものはない。自分の現状や気持ちも、環境も、全ては良くも悪くもいずれ変わっていく。
変わってしまうからこそ儚く、美しく、そして面白い。

気になるあの人のクリスマスの過ごし方が気になって仕方がない。
好きじゃなくて、気になっているだけの人だけれど、好奇心が先走る。

鳴り響くベルの音。笑う人。泣く人。焦る人。
それでもベルは淡々と鳴り続ける。