10/16/2024, 11:17:11 AM
#やわらかな光
桜の花びらが雨粒の重たさに首をもたげる頃
私たちは緑いっぱいの公園にいた
屋根付きのベンチの下
テーブルにはおにぎりとサラダチキン
読書には少し肌寒い曇り空
雲に隠れたやわらかな光を受けて
君の輪郭が優しく香った
10/15/2024, 11:00:56 AM
#鋭い眼差し
我が家は作法に厳しかった
商いをしていたからか常にお客さんがいることが多く
色んな大人に囲まれて育った
挨拶や言葉遣いはもちろん
食事のマナーにも注意が行き渡る家だった
祖父や母の鋭い眼差しは
私の姿勢をいつも正しくしてくれた
身についた所作やコミュニケーションスキルには
大人になってからふと気付かされた
気を張らなくても出来ることが多いことの
何て楽なことなのだと
10/14/2024, 10:17:11 AM
#高く高く
高く高くと足掻いてばかりだと
足元がグラグラしてくる
首を上に上げすぎているから
遠くの景色を見渡すことは難しい
一度に高いところへ飛べない私たちには
高く高くより
遠く遠くが好ましい
10/14/2024, 8:49:35 AM
#子供のように
日を増すごとに子供のように
あなたは曝け出してくる
剥き出しの感情を惜しげもなく披露する
落ち着きの無さも苛立ちも何もかも
さっきまで笑っていたと思ったら
貝のように全てを閉ざし口を噤む
背を向け拗ねた幼児のようでいて
孤独に耽る老人のよう
抱える孤独や失望に背は曲がり
陰鬱な瞳は世界の明度を下げてしまう
子供のように無償に愛されたいのだと
あなたの姿を見て思わずにはいられない
10/13/2024, 1:56:23 AM
#放課後
並んで歩いた帰り道
一緒に通った習字教室
はじめて買い食いした近所の駄菓子屋
ランドセルの重さを忘れるくらい
放課後の私たちは楽しくて可笑しかった
あっという間に忘れるような
些細な出来事にきらめきながら
いつしか大人になってしまったんだ