#届かないのに
終わりを告げることなく
まっさらになったあの日
もう会えないことは分かっていた
あなたが私に何か言いたそうに視線を向けていたこと
微笑み返した私を見たあなたの眼に諦めのようなものを見たこと
ぜんぶぜんぶ気づいてたよ
届かないのに今になって会いたくて
名前を呼びたくなるのはどうしてかな
#記憶の地図
ずっと探してた気がする
まっさらな砂浜に手を深く入れ込むみたいに
どこにあるかも分からないまま
無くても困らないと思っていたはずなのに
大人になればなるほどに欲しくなった
前に歩き出す力にしたいのかもしれない
不安を取り去る勇気が欲しいときもある
愛された記憶
綺麗なものを見つけた瞬間
はじめての体験
あの日あの時あの場所でしかなかった
記憶の地図
#マグカップ
墨色と銀色を織り交ぜた
夜空みたいなマグカップ
手の中にしっくり嵌った感じがして
気づいたら君の分も買ってた
恥ずかしいのか何なのか
君は使わずにデスク脇に飾ってる
使ってよねって画面越しに文句を言ったら
カップの淵をそっと撫でてとジャスチャーする
夏風のような涼やかな音色が小さく爆ぜた
君が嬉しそうに微笑んで何度もカップを撫でるから
使ってねって言うのがバカらしくて
私は思わず画面を撫でた
#もしも君が
エレベーターの扉が開いたら
朝目が覚めたら
美味しいよねって言ってたラーメン屋に行ったら
あの角のコンビニに入ったら
もしも君がいたらって何度も思うんだ
僕の気持ちが
この想いが
君の心にダイレクトにそのまま伝わって
言葉がなくても届いたらいいのに
口下手な僕の脳内は
いつも君でいっぱいなのに
#君だけのメロディ
二人きりのときだけ
君はいつもより騒がしくなる
歩いてもお風呂に入っても歯を磨いていても
君だけのメロディをずっと奏でてる
この前は"はじめてのチュウ"だったね
世代じゃないのに上手に吹けたね
口笛吹きの◯◯くん