不条理な世界?
そりゃそうだよ、この世界は不条理でできてるようなもんだと思えばいい。
それじゃ不安定だから、何かに当てはめたくなるのはわかるけどさ。
必ずはみ出すものがあるんだよ。
変な隙間もできたりしてさ。
それでいいじゃない。
ピタッと当てはまるものだけが美しい訳じゃないんだよ。
そもそも美しいって何だよ?
何を美しいと思うか、そこにもほら、不条理はあるじゃないか。
不条理に腹を立てるだけ、時間のムダだ。
安らかな瞳。
何も言わず、真っ直ぐな視線を僕に向ける。
どんなメッセージなのかと、思い巡らせるが、
君が何を言わんとしているのか、全く理解できない。
ごめんね、こんな僕で。
情けないよ。君の発信をきちんと受信できない。
泣きたくなる僕を、変わらず見つめる安らかな瞳。
頭で理解できなくても、心ではその想いを受け止められている気がするんだ。
何も言わなくていい。
そこにいてくれるだけで。
ありがとう。
ずっと隣で。
気付けばすっと無防備に背中をすり寄せて来たね。
甘えん坊な君。
猫はこたつで丸くなるけど、犬は寒さに強いのかと思ってたら、全然そんなことなくて。
眠るときは子どもみたいに寄り添ってたね。
あと何年一緒にこうして過ごせるんだろう。
そんなことを考える間もなく、君は虹の橋を渡ってしまった。
でもね。
君のこと、忘れないよ。
いつもそばにいた、そのぬくもり。体温はちゃんと記憶してる。
これからも、ずっと隣で。
そばにいてね。
もっと知りたい。
自分のこと。
知っているようで、知らない。
そんな気がして、ふと不安になった。
自分探し。
誰かもそんなこと言ってたっけ。
知らない自分を探す旅。
探しになんて行かなくても、どこへ行っても、
今ここにいる、自分しかいない。
自分以外の人が知る部分、自分しか知らない部分、まだ誰も知らない部分。
そのすべてが、唯一無二。
歳を重ねると、時が経つのが速くなると言う。
だからかな?
退屈してる暇はないと思っていた自分が信じられないくらい、1日1日を慌てずに過ごしたいと思うようになった。
平穏な日々。
時間に追われず、行き急がず、自然と湧き出る好奇心に従って日々を過ごせたら…。
本当の贅沢って、きっとそんなことなんだろうな。