4/29/2024, 10:39:47 AM
ふぅと息を吹きかけた綿毛が風に乗って飛んでゆく。
そのまま君のところまで飛んでいけ!
テーマ『風に乗って』
4/22/2024, 10:25:03 AM
「ねぇ、このまま一緒にいこうか」
ろくでもないことをまた言い出したと溜息を吐く。
そんなこと、これっぽっちも思っていないくせに。
気まぐれに振り回させるのはうんざりだ。
どうせすぐに「嘘だよ」と言うんだろう。
この日々が永遠でないことは充分分かっている。
分かっていてもその手を振り解けないのは、
どこかで己もまた望んでいるからだ。
だから、今日も手を取ってしまう。
この選択がたとえ間違いだったとしても。
テーマ『たとえ間違いだったとしても』
4/22/2024, 7:57:33 AM
天から落ちた雫の粒が地上の花の手に優しく触れて、
「こんにちは、そしてさようなら」
と言って地面に吸い込まれて消えました。
花はその身を震わせ、地面に向かって囁きました。
「ありがとう、キミのおかげで僕は今日も生きていける」
そうして陽の光を浴びる為、両掌を目一杯広げたのでした。
テーマ『雫』
4/20/2024, 3:40:12 PM
そう言えてしまえたら楽だった。
そう吐き捨てれば良かった。
そう言い切るには僕は持ちすぎた。
いらない、なんてもう言えないよ。
それでも捨てたくなるのは僕が強欲すぎるだけなんだろう。
テーマ『何もいらない』
4/17/2024, 10:43:26 AM
ひらりひらりと
河津桜の今年最後の花弁が
君の面影をなぞって
風に溶け消えた。
はらりはらりと
透明な花弁がその跡を追うように
私の眼から頬をなぞって
足元に散り落ちた。
テーマ『桜散る』