7/1/2023, 11:47:41 PM
白色のシャツの袖で乱雑に汗を拭った。右で拭えば左が流れ落ち、左を拭えば右が流れ落ちる、堂々巡りの攻防戦。ガラス一枚隔てた向こう側では、刺すような日差しがじりじりと町を焼いていた。ふと顔を上げた彼と視線が絡む。待たされているというのに笑顔でこちらに手を振る姿に申し訳なさと少しの呆れ、嬉しさがほんの少し。小さく手を振り返してからカーテンを閉めた。ここから見える彼は、私だけの特別だ。
/窓越しに見えるのは