嗚呼、これほどの悲しみを
感じてもなお生きている
嗚呼、これほどの苦しみに
襲われてなお息絶えぬ
いずれ全てが終わるとき
何を思って目を閉じる?
それが後悔だったなら
生きる意味とは何なのか
声は出ず
息が漏れ出る
力無く
溜め息一つ
横たわり
声は途絶えて
人生は
まだ終わらない
辛くとも
嗚呼、いつまでも続くのか
それともすぐに終わるのか
嗚呼、救いなどありはせぬ
果てなき地獄ただ続く
声にならない感情を
静かな息で表して
辛い理由を消すために
静かに息を終わらせる
羅針盤が欲しかった
道に迷わないように
どこを目指して進めばいいのか
自分では何もわからないから
羅針盤を眺めていたかった
くるくると回って
彷徨っているように見えて
最後には決まった向きに収まる
羅針盤をこわしてしまいたかった
その針を心臓に突き刺せば
進むべき方向が
収まるべき場所が
見つかるんじゃないかと思った
けれど、羅針盤なんて必要なかった
全部、自分で決めればよかっただけだった
目指す場所も、進むべき方向も
自分で決めてよかったんだ
だから、ここで終わりにする
羅針盤が無くたって
もう迷わないように
星のかけらが地に堕ちて
僕はそれを探しに行く
君は待っていていいから
僕は一人で歩けるから
放っておいてくれないか
あれは僕だけの輝きだから
太陽の下で陰を望む
あまりにも眩しく輝かしい太陽は
全てを焼き尽くしてしまうから
あの尊くも苛烈な光に
私はきっと耐えられないから
太陽の下で傘を差す
あまりにも眩しく輝かしい太陽は
私から雨を奪ってしまったから
あの優しくも厳格な光は
一点の曇りさえ許さないから
太陽の下で
私は私でいられるのだろうか
セーターをほどいている
あなたから貰った手編みのセーター
ただ1つ残った思い出
ほどいて糸になったら
手繰ってあなたのいる場所へ
わたしを連れて行ってくれる
わたしがあげたマフラーを
あなたはほどかなかったけれど
あなたがくれたセーターを
わたしは丁寧にほどいている
ほどいたセーターを
マフラーに編みなおして
あなたの温もりを感じた気がして
わたしは冷え切っていく
あなたのいる場所に行かなくちゃ