11/19/2024, 7:25:39 AM
物や景色を見て
過去の記憶を思い出す
思い出とは記憶のこと
似ているものや食べ物 匂いでも
思い出すことはある
それがいいか悪いかは別として
人というものは
そう簡単に記憶を消すことが出来ない
ふとした事で思い出し
過去の出来事に引きずられる
楽しいものでも
また同じ経験をと望み
美化してしまっているのか
記憶以上のものを願ってしまう
今を生きるのには
美化してしまった記憶よりも
苦しんだ経験の方が
必要なのではないだろうか
「たくさんの思い出」
11/18/2024, 4:56:37 AM
空が灰色の雲に覆われて
寒さが音もなく降りてくる
風が吹く度に身を縮め
襟元を締め直す
手袋は何処にしまっただろうかと
寒さに凍えながら
凍りついてく思考を必死で探る
もういいやと諦め
新しい手袋を買ってしまう
そうして毎年
手袋が増えていく
「冬になったら」
11/17/2024, 5:16:44 AM
愛しいお前様
今何処に在りまする
生まれ変わりを信じ
血の涙を流し
手を伸ばして繋いだ誓い
今生も忘れてはおりませぬ
お前様の御魂を探し
幾度と繰返した命
決して途切らせぬように
彷徨い続けて在りまする
どうか どうか どうか
私の目に映えますよう
その御姿 御目見得下さいませ
「はなればなれ」
11/16/2024, 6:09:47 AM
猫がいる
鳴き声からしてまだ子猫だろうか
みーぅみーぅと寂しそうに
みーぅみーぅと必死な声で
親猫を呼んでいるのかもしれない
暫くの間鳴いていたが
いつの間にか静かになった
気になってしまい
いつも以上に授業が長い
チャイムが鳴る
窓の外には子猫はいない
「子猫」
11/15/2024, 12:47:54 AM
心地よい風から寒さを感じる風に変わっていく
駆け足で過ぎ行く時と共に
風景も日に日に変わっていく
冷たく変わる風は人の心も変えてしまうのか
あの人と熱く交わしていた視線が
いつの間にか違う方を見つめてる
気のせいだよと言って欲しいけど
気付いてしまって
壊れてしまうのが怖くて
何も言えないでいる
風よ お願いだから
あの人の心まで持っていかないで
「秋風」