秋が深まり
全てがセピアへと移りゆく
いろいろな生き物たちで賑わっていた空も
いつの間にか枝から離れた葉だけになった
仔犬の散歩も目移りするものがなく
スムーズに目的を達成しているようだ
街全体が年末の準備に入る前の
一瞬の休息を得たかのように
何処か静かな時間が流れている
もうすぐに厳しい冬が来る
のんびりとしている時間も束の間だろう
準備のために重い腰をあげるとしよう
「哀愁漂う」
鏡の向こうは在るのだろうか
自分は映るし背景も同じ
ただ映るだけなのか
それとも同じ反対世界なのか
いつの間にか入れ替わっているのでは
そう思う時もある
幼い時は何故か鏡が怖かった
吸い込まれそうで引き摺り込まれそうで
鏡の向こうの自分が自分ではないようで
じっと見ることが出来なかった
鏡の国のアリスを読んだからだろうか?
違う世界があると思ってしまったのか
幼い自分が単純だったんだと
改めて呆れてしまう
「鏡の中の自分」
輪廻転生があるならば
繰り返す生でも
貴方と共に歩みたい
どんな形でもいい
魂が触れ合えるならば
私は貴方だとわかるって思うから
貴方を知らない世界なんて
暗闇に残されているのと同じ
貴方は私の光だから
私を照らしてくれないとダメなんだ
「永遠に」
争いの無い世界
自然との共生
人々の調和
哀しみの極限まで無い社会
美しい地球
そこに在るのは美しい秩序
その筈なのに何故・・・
争いは何も産まぬという事を
何度繰り返しても学ばないのか
「理想郷」
過去はもう忘れたい
そう思ってもいろいろと思い出す
大半はもう忘れたいこと
記憶というものは
こうもしつこく残るものかと思ってしまう
そんな中でもいくつかは
大切な思い出もある
チキンラーメンを見たら親友を
桑の実を見たら高校の仲間を
全ては捨て切れないと思い知らされる
それでもいいかと思えるようになったのは
今がそれなりに自分の心が平和だからだろうか
「懐かしく思う事」