アンティークショップのショーウインドー
君は小さなロッキングチェアに座っていたね
ダークブラウンのモフモフのテディベア
黒のタキシードに赤い蝶ネクタイ
まさに一目惚れだったんだ
君を迎えるために頑張って働いたんだ
ショップの前を通る度に
必ず迎えに来るからねって話しかけながら
でもあれは梅雨に入ってすぐの雨の日だった
君が座ってたはずのロッキングチェアに
違う子が座ってたんだ
慌てて店に入って聞いたよ
もう君は新しい主の所に行ったってね
この手で君を連れて帰りたかった
あれから暫く経つけど
君ほどに惹かれるテディベアには逢えてないよ
「君と最後に会った日」
人は誰でも心に花を抱いてる
その人の行動 心理 感情で
どんな花になるか変わっていく
それこそ世界に一つだけの花
視る事は出来ずとも
感じることは出来るはず
願わくば
少しでも美しい花であって欲しい
人々はその花を 魂 と呼ぶ
「繊細な花」
いつ何があるかわからない昨今
多くは望めないのだろう
物に溢れてはいるが
物価は上がるし給料は下がる
どう生きていけばいいのか
先の視えない現状
言ってしまえば
お金持ちになって贅沢したい
だけどそれは無理なのはわかっている
それならば
大切な人たちと共に
今と変わらぬ生活を送っていたい
「1年後」
過去を振り返っても戻ることは出来ない
正直いい思い出は数える程しかない
過去の悔しさをバネにと言うが
封印した記憶なんて役にたたない
そんな経験があるからこそ
目立たず無難に何事も無く
一日が終われば それでいい
まだ幼かった自分は
それでも平穏な日々を望んで
もがいていたと言う記憶しかない
ただそんな時から変わらないのは
月は何時でも美しいという事だ
「子供の頃は」
なんの変哲もない毎日
ご飯食べて仕事して
休日には趣味に時間を使ったり
友人や家族と出掛けたり
たまにはハプニングもあるかもしれない
それでも時間は平等に流れ
日々 同じように過ぎていく
だけどそれは自分の意思?
もしかしたら
私たちは地球という籠の中で
誰かに観察されて
動かされているのかもしれない
「日常」