3/26/2023, 3:36:44 PM
色がほしい。
君が僕の世界にくれた鮮やかな色彩を。
音がほしい。
君が僕の世界に奏でてくれたあの音を。
味がほしい。
君が作ってくれた料理のあの味を。
残り香がほしい。
君がこの世界にいたという証明を。
" 君 " がほしい。
もう一度、よく頑張ったねと君の頭を撫でて。
もう一度、大好きだよって優しく抱きしめて。
もう一度、甘くて優しくて愛おしいキスをして。
もう一度、あの鈴ような声で僕の名前を呼んで。
『……なんて、ないものねだりにも程があるよな。』
目の前の冷たく固い石は心なしか優しくて、
持ってきた花が鮮やかに映えて、
今日も僕は君に会えない。