揺れる木陰

木陰の下で
少しまどろむ

穏やかな風が木の枝を揺らす
木陰が揺れると心がざわめく
何かが起こるんじゃないかって勝手に期待して
そういうときは大抵何も起こることはないので
勝手に落胆する

ざわざわ
自然の騒音がする
世界に観察されている

真昼の夢

太陽が夢を見せてきた
その役目は月のモノだ、太陽のモノではない

月の見せる夢が幻想ならば
太陽の見せる夢は理想だった

逆光で理想の輪郭は見えず
熱烈な暑さが意識を朦朧とさせる

理想、遥か遠く

二人だけの。

二人だけの秘密
二人だけの世界
二人だけの約束

二人だけの空間に他人の入り込む余地はない
入り込ませる空気すらない

夏

夏が災害に成る

夕立ちはゲリラ豪雨に
暑さは酷暑に
梅雨の筈が台風に成る

外で遊んでいた筈の夏が
屋内にいないと熱中症になる災害に成る

それでも夏でなければ
咲くことのない青春が
世界には存在する

隠された真実

隠す行為には2つの意味に分かれる

ひとつ、時間から隔離するため
ふたつ、世界から隔離するため

誰かのために隠すときは前者
自分のために隠すときは後者

でも両者には必ず共通点がある
それは
隠すものは「真実」であるということだ

にしても、隠されたものを暴きたいとすることは
人間にとってはロマンなのだろう
放っておけば介入されることはないだろうに