届かない……

届かないものに目を向けるくらいなら
僕の近くにある大切なものを拾おう

届かないものに僕の全てを賭けるなら
届きそうなもので妥協しよう

届かない……と悔やむくらいなら
僕は手を伸ばすことをやめよう

「バッカじゃないの」

届かないはずの声が僕の頭脳を咀嚼する

木漏れ日

木漏れ日が私たちを照らす
影と陽のコラージュ
人間のような境界の曖昧さ

そこに私たちは愛を持つ

すれ違う瞳

僕は君を見ていて
真っすぐ世界を据える君の瞳が好きだった

でも君は隣にいる僕なんかより
広い世界の方が好きなようだ

すれ違うだけでもいい
君の瞳に僕を写して

青い青い

青というものはとても貴重なものだった
その理由は
希少で作ることが難しかったからだ

そんな青に
春をくっつけて
青春って言った人
今すぐでてきなさい

めちゃくちゃに褒めちらしてやるから！

風と

自然の風と冷たさを感じた
実に3ヶ月くらいだった
入院してすぐ
社会と隔離された

窓は防犯や安全面の観点からガチガチに固められ
あるものはクーラーと扇風機
機械的な風は頭痛と戸惑いを送った

まあ今は退院して
自然の風を感じながら生きている