【紅茶の香り】
日々の喧騒から解き放たれた
土曜の少し遅めの朝
優雅な自分を着飾りたくて
少し冷めた紅茶を啜ると
懐かしさが香った
ストレートティーにガムシロ4つ
糖尿病になるよと言いながら
君に渡したいつかの朝
どれだけ経ったかも忘れていても
ただ分かるのは
その時君が僕の隣にいて
今もこの惨めな身体は覚えているということ
今日も
暖かな紅葉の香りに包まれながら
生ぬるい心を呑み込む
きっとどこかで微笑む君の唇を脳裏に掠めて
【愛言葉】
ただ真っ直ぐに
疑う心も抱かず
その愛を受け止められるのならば
それは血と心の通った2人だけの言葉
どれだけたくさん捧げても
あなたはまだそんな不安な顔をする
どれだけたくさん注がれても
わたしはその度全く新しい感触がする
愛を交わすということは
互いに信じるということ
そんな高貴な愛を紡ぐ
心温まる友情を描くのもいいが
ここは素直にこの単語に対する私が最近考えることを脳内ダダ漏れで書くとする
【友達】
『友達とは』
この問いを巡り討論したことがある
わたしはその時
『心を開ける人』
と言った
人は無意識に自分と同等と思える人間に声をかける
これはわたしだけじゃないって信じたい
今
どれだけ親しみを込めて
どれだけ愛情を抱いていたとしても
本能が
目と目があった一瞬で見極めて
無意識のうちに態度を変えている
そんな愚かな自分に気がついたとき
心に冷水をかけられた気分になった
いや、見て見ぬふりをしてきただけなのかもしれない
こんなに大好きな友達なのに
気づけば共通点がなくなってたり
こんなに大事にしてくれる友達なのに
一緒に居ても全く楽しくなかったり
こんなに疲れる友達なのに
今更群れから出るのが怖くて友達のフリをしたり
こんなに『いいひと』に恵まれているのに
『友達』に思える人が少ないのは何故だろう
わたしが薄情者なだけなのかな
全てを求めるわたしは欲張り過ぎた
あなたはわたしの脳を見ている
こんな脳みそを愛せるならば
わたしもあなたを愛したい
自由なあなたが好き
自由を求めて
もがき 苦しみ 命を削った
そんなあなたに私は救われた
あなたの自由には
幾人の希望が詰まっていることか
こんなにも傷だらけの体で羽ばたこうとしてるのに
その細い足にしがみついて
あなたの羽根を奪う真似はしない
私はただ
あなたを見上げて
ただただその影を頼りに走る
永遠などないとあなたは言うけれど
せめて私の息の根が尽きるまで
私はあなたの隣に居たい
『行かないで』
【どこまでも続く青い空】
心が吸い込まれていく
否が応でも心の雲が吸い込まれていく
嬉しいような
やめて欲しいような
眩しすぎる純粋無垢な青色
私は真っ青な空に
青々と木々が茂った天を見上げて
『どうにも隣の芝生が青すぎて嫌だ』
って歌詞を聞きながら
進まぬ足を一歩ずつ運ぶ
そんな朝が好き
きっとこの澄みきった眼差しで
こんな私も
どこかの知らない無垢な子供のことも
みんなを包んでいるのだろう
それでもどこかで
この広い広い果てしのない青
境界線のないこの空間全て
私が独り占めする私だけのものって
思っていたい
#比較症候群