自由なあなたが好き
自由を求めて
もがき 苦しみ 命を削った
そんなあなたに私は救われた
あなたの自由には
幾人の希望が詰まっていることか
こんなにも傷だらけの体で羽ばたこうとしてるのに
その細い足にしがみついて
あなたの羽根を奪う真似はしない
私はただ
あなたを見上げて
ただただその影を頼りに走る
永遠などないとあなたは言うけれど
せめて私の息の根が尽きるまで
私はあなたの隣に居たい
『行かないで』
【どこまでも続く青い空】
心が吸い込まれていく
否が応でも心の雲が吸い込まれていく
嬉しいような
やめて欲しいような
眩しすぎる純粋無垢な青色
私は真っ青な空に
青々と木々が茂った天を見上げて
『どうにも隣の芝生が青すぎて嫌だ』
って歌詞を聞きながら
進まぬ足を一歩ずつ運ぶ
そんな朝が好き
きっとこの澄みきった眼差しで
こんな私も
どこかの知らない無垢な子供のことも
みんなを包んでいるのだろう
それでもどこかで
この広い広い果てしのない青
境界線のないこの空間全て
私が独り占めする私だけのものって
思っていたい
#比較症候群
【衣替え】
また一年後、
私の需要に見合ったら
一見冷たい関係だけど
この数ヶ月の私の愛情は真実
私の身を纏う大切な相手
でもその相手を変えるということは
また私たちを纏う空気の変化を認めなきゃいけない
私とあなたを引き離す絶対的な存在の移ろい
また新たな季節の訪れを告げて
忙しない日々の中
わたしは押し入れに眠る箱を開ける
【声が枯れるまで】
一体わたしはなぜ蓋をしてきたのだろう
いっそこの身が滅びるならば
その前にわたしはこの身を使い果たす
あめんぼの足音
アゲハ蝶の羽音
雲の動く音
なんでみんなそんなに忍び足なの
あなたが声を忍ばすから
わたしも思わず息を潜めちゃう
たとえ雷が落ちようと
あなた達は黙って逃げるだけ
あなた達は足音も立てなければ
怒って彼を止めることもしない
そんなあなた達の朽ちた身体が
わたしの心にひとつまたひとつと積もっていく
そして私もあなた達と同じように朽ちていく
それならば
どうせそうならば!
わたしは最後にあなた達を全て吐き出す
わたしは彼らに劣らぬ雄叫びを上げる
たとえお前らが屍になろうともわたしは構わない
わたしはお前らに生の命運など握らせない
わたしはわたしを生かす
わたしはわたしを殺す