旅舟

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11/27/2024, 4:37:44 PM

愛情



人類史において
最も凶悪な殺人犯は
愛情である

それはまさに神だが
誰もが信じてる訳ではない
反逆者はいる

愛だけが
強くして勇気もくれる
それゆえに
もぎ取られたら死ぬしかない

愛だけを
求めてた力の限り
それだけに
孤独なことも受け入れられない

愛情を捨てて
生きる道もあると思う
でも慈悲を持って
愛をそそいでこそ幸福なんだ

愛情が殺しにくる
今夜も私を殺しにくる
それでも朝まで
そいつを愛して生きている

11/27/2024, 1:35:39 AM

微熱


36度で微熱と言って
学校を休んだクラスメート

恋心を微熱のように
顔を赤らめ動悸でふらつく友

下がらない微熱で検査
重病じゃないかと不安な日々

高熱にうなされないけれど
夢という小骨がのどに張り付く

準備のように
予告のように
警報を鳴らす

「ハックション!」

ダウンジャケットを
クローゼットから出した

微熱の天使は
セキセイインコの振りをして
肩で囁く

「おそれないで…」

夜空を飛ぶ魔法の粉なのか?
微熱の翼を、広げよう

恋も夢も
飛び立たないと
始まらない

11/25/2024, 11:17:39 PM

太陽の下で



今日は朝からどしゃぶりです
傘をさして仕事場へ
音が多くてにぎやかで
土や草は生臭い

そらは 太陽の下で
反抗期の 子供のようで
そらは 化粧の仮面で
真実なんて 簡単に隠せる

疲れて 死にたいと思う
どしゃぶりより 雷雨のごとく
それでも 笑ってあいさつ
雨雲は去る 邪魔してるだけ

きっと どしゃぶりの上も
絶望だけの 未来の先も
いつも 太陽の下で
僕らは生きてる 見えないだけで



11/24/2024, 12:33:34 PM

セーター


もしも私が 毛糸なら
手編みのセーター なりたいな

大好きなひと 抱きしめて
あま~い匂いを 嗅ぎたいの

たとえタンスで 眠っても
真冬に再会 信じてる

虫が私を かじっても
あきらめたくない くじけない

赤い毛糸が 私なら
あなたにとっても 似合うでしょう

穴にフェルトを 縫い付けて
二人で歩くの クリスマス

雪の舞い散る 帰り道
あなたの小指に 私を結ぶ





11/24/2024, 12:51:44 AM

落ちていく



しゅるしゅるしゅるしゅる
ひゅーひゅるるー
しゅるしゅるしゅるしゅる
ひゅーひゅるるー

落ちたと思えば どこかに当たり
痛いと叫べば またしゅるる
意識があるから 生きてはいるの?
あきらめたいようで 期待もしてる

楽観主義者と だれかが笑う
不思議ねこんなに 臆病で
プツリと電源 落ちてくまでは
ショートしてだって 恋していたい

化けの皮を 被った変人
それでいいのよ 落下のひととき
他人の眼など 目くそ鼻くそ
トイレのチリ紙の 価値もない

落ちていく 落ちていく
ぺしゃんこつぶれて 内臓ばらまき
落ちていく 落ちていく
脳みそベチャベチヤ 野次馬…笑う

まるで、漫才なのか?
人生なんて
死さえ、おもしろいんだ
生きてさえ、いれば

落ちていく…

あなたにだけは
その現場で
泣いて
欲しいかな













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