旅舟

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11/19/2024, 10:32:46 AM

キャンドル



命のように消えそうで
金魚を真似て泳いだり
涙のようにぼかしかり
若き強さを叫んだり

やさしくだれかをはげましたり
憎しみたぎらし殺したり
ちいさな、その身に
ちょんと乗せ
朝が来るまで友になる

キャンドル
炎を見上げる土台から
キャンドル
流れるしずくが
人の人生…そのものか?


11/18/2024, 10:44:03 AM

たくさんの想い出



まるでスマホのように
一人一人の物で
インスタやTik Tokも
使い捨ての雑誌

たくさんの想い出
幼稚園から記憶にあるけど
スポーツ観戦したあとの
みんなで語らう想い出がいい

たくさんの想い出
流行歌さえ今年は知らない
個人ごとの生活で
共有してゆく楽しさが消えた…

それはマッチ売りの少女
炎に夢を映す
人なんて一人ぼっちじゃ
想い出も作れない



11/17/2024, 1:12:23 PM

冬になったら



新たな居場所と 出会いに戸惑う
桜の春は 落ち着かない春

熱中症なり 食欲なくなる
それでも花火や 祭りに沸く夏

残暑が厳しい 短い秋でも
味覚の宝庫 食いしん坊の秋

クリスマスが来て 正月迎えて
家族の絆を 確かめ合う冬

冬になったら
冬になったら
今年も終わってしまいます

冬になったら
冬になったら
人との距離が近づきます

冬になったら
冬になったら
お鍋を囲んで話しましょう



11/16/2024, 8:08:35 PM

はなればなれ



なぜだろう
戦争映画を思い出す

はなればなれ

孤児たちの演技が
頭に上映される

そこに、美空ひばりの
「悲しき口笛」

はなればなれ

それは親か兄弟か
恋人なのか

去ってゆく
再会するのは、ごくわずか

はなればなれ

それが永遠になり
日常になる

はなればなれ

いつかは私が
はなれてく

きずながあってこその、言葉
はなればなれ

あなたときずなを
結びたい、




11/15/2024, 7:01:42 PM

子猫



夜の塾の帰り道
電信柱の影に段ボール
そこには白とこげ茶色の
まんまるおめめの
子猫がいたの

「あった場所に捨ててきな…」
父には叱られ母は知らんぷり
頬ずりしては鼻をすすり
泣きながら歩く
絶望の秋

私だけが救える…と
安否が気になり朝に見に行った
子猫はおめめウルウルさせ
差し出す牛乳
ペロペロ舐めた

学校帰りの帰り道
子猫がいなくて、探しまわってた
「拾われたのよ」と母は言った
それならいいねと
嘘つき笑う

数日後の日曜日
道路に転がる死骸、あの子猫
私は知らぬふりで逃げた
殺したと思い
心を閉ざす

何がこの世の正義なの?
大人になってもずっと分からない
故郷に帰りベビーカー押す
おギャ~と泣くたび
ドキってしてる…



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