冬になったら
新たな居場所と 出会いに戸惑う
桜の春は 落ち着かない春
熱中症なり 食欲なくなる
それでも花火や 祭りに沸く夏
残暑が厳しい 短い秋でも
味覚の宝庫 食いしん坊の秋
クリスマスが来て 正月迎えて
家族の絆を 確かめ合う冬
冬になったら
冬になったら
今年も終わってしまいます
冬になったら
冬になったら
人との距離が近づきます
冬になったら
冬になったら
お鍋を囲んで話しましょう
はなればなれ
なぜだろう
戦争映画を思い出す
はなればなれ
孤児たちの演技が
頭に上映される
そこに、美空ひばりの
「悲しき口笛」
はなればなれ
それは親か兄弟か
恋人なのか
去ってゆく
再会するのは、ごくわずか
はなればなれ
それが永遠になり
日常になる
はなればなれ
いつかは私が
はなれてく
きずながあってこその、言葉
はなればなれ
あなたときずなを
結びたい、
子猫
夜の塾の帰り道
電信柱の影に段ボール
そこには白とこげ茶色の
まんまるおめめの
子猫がいたの
「あった場所に捨ててきな…」
父には叱られ母は知らんぷり
頬ずりしては鼻をすすり
泣きながら歩く
絶望の秋
私だけが救える…と
安否が気になり朝に見に行った
子猫はおめめウルウルさせ
差し出す牛乳
ペロペロ舐めた
学校帰りの帰り道
子猫がいなくて、探しまわってた
「拾われたのよ」と母は言った
それならいいねと
嘘つき笑う
数日後の日曜日
道路に転がる死骸、あの子猫
私は知らぬふりで逃げた
殺したと思い
心を閉ざす
何がこの世の正義なの?
大人になってもずっと分からない
故郷に帰りベビーカー押す
おギャ~と泣くたび
ドキってしてる…
秋風
すってんころりん
ころころりん
恥ずかしさに
秋風、ぴゅ~ぴゅ~
ずっこけドボンと
ぶくぶくぶく
川に落ちたよ
名月、知らんぷりぷり
恋して、どすこい
ケンカだ、どすこい
負けて…落ち葉だ
秋風、また…ぴゅ~ぴゅ~
「冬が来るぞ!」と
秋風、エンエン…泣かせるな
秋風、ぼっちだ、ぴゅ~
また会いましょう
二度と会えない気がして
指切りするように言い放つ
「また会いましょう」
とても嫌いな人にも
いじわるするように催眠術
「また会いましょう」
弱虫だから、腰抜けだから
へタレのわたしの、やせ我慢
愛したいんだ、ハグしたいんだ
せっかく出会った、運命だ
note去る人増えてく
コメント欄にはしょうがなく
「また会いましょう」
墓にお参りしたとき
死んでる祖父母に繰り返す
「また会いましょう」
シャンパンみたい、酔っては踊り
弾けて歌い、大爆笑
一人だけれど、大勢なんだ
約束した人、いっぱいだ
また会いましょう
また会いましょう
弾けて歌い、大号泣
また会いましょう
また会いましょう
天下も獲ったる、君のため!