8/27/2025, 2:24:24 PM
桃栗さえ
実がなるほどの時間
ただ一つの雄花だけしか
見えなくなってしまう
全てここにあって
手を伸ばせば触れることが出来た
でも、待っているだけ
僕みたいな特異な雄花は
あの人には
好まれない
だから、待っているだけ
何を求めるのかすら分からないまま
待っているだけ。
8/24/2025, 2:52:28 PM
カーテンの隙間から入る光は
床にもう一人
僕を作る
シワを作ったシーツの上で
今日もまた
液晶を通して夢を見る
人並みに揺れる交差点
摩天楼に吹く風に
こころを乾かして
見知らぬ街で
弦を掻く
8/20/2025, 1:09:36 PM
あの日の校舎裏
せめて、あなたが笑ってくれてよかった
分かっていたことでしょう
予想通りだったでしょう
夕暮れのカラスは鳴いて
電柱の上誰かを待っている
夕凪で流れる無音は
こんな今を流してもくれない
忘れたくなるよ
忘れてやりたくなるよ
でも、あなたの事、私の心が繋ぎとめる
あなたに恋した一人として
きっと、忘れない
きっと、忘れてやらない
8/19/2025, 11:56:29 AM
なぜ泣くの?と聞かれたから
私はこう答えました。
「誰か、泣いてるの?」
その子はこう返しました
「わからないの?」
私は、膝を折ってこう聞きました。
「ごめんね。教えてくれる?」
にっこり笑ってこう言いました。
「これ、つかっていいよ。」
その子は、静かにハンカチを差し出しました。
私に。
8/18/2025, 1:49:38 PM
道を歩くときに私たちは
かかとを上げ
地面を蹴って
片足をつける
そして、その瞬間に音が鳴る
コツリ コツリ
コツリ コツリ
大丈夫だよ
歩けているよ
きっと、ちゃんと進んでいるよ
コツリ コツリ
コツリ コツリ
一歩づつ
近付いているよ
音は止まった
でも、心配ない
またすぐに、音が鳴り始める
それまで休んでいるだけだから。大丈夫。