私は今
眺めているひとつの星
無数のサイリウムの真ん中に
何よりも光る貴方がいる
きっと
それは流れ星
どんな願いも叶えてしまう
どんな願いも叶えられる
液晶の奥には
私の一番星が光っている

"目が覚めた"
机に座っていた
顔を上げる
黒いままの黒板が見えた
空いたままの教卓と一緒に
教室の真ん中
座っているのに教卓の足まで見える
　　　そうか
　　　誰も居ないんだ
隣にも後ろにも
立ち上がろうとしたのに
脚は固まってる
突然、眼が真っ暗になった
まぶたが閉じた
何だか背中が重くなった気がして
机に突っ伏

"目が覚めた"
机に座っていた

今年の夏は特に暑い
34℃の12時
なぜこんな熱気の中で
お化け屋敷に並んでいるのだろう
赤いスニーカー
底からも暑くなってくる
最近名前を知った「ハンディファン」も
効かないって言うのに
なんで
こいつはずっと手を繋いでいるのか
暑い暑いと言いながら
離さないのか
汗かいた額にファンを向けてやりながら

妙に面白くなった

私にとっての虎の穴
少し大きめを買ったシャツ
指までかくれる白い袖に
行き場のない
爪を立てる

「今日は、アレ。やっちゃおう」
４畳には一人だけ
ショーパンに推しのバンT着て
ナッツは噛みながら
プルタブを
３、２、１。
今夜の私は完全無敵

もし、願いが叶うなら
愛する誰かと
人生を共にしたい

もし、願いが叶うなら
愛する誰かと
眠りを共にしたい

もし、願いが叶うなら
愛する誰かと
墓の中まで共にしたい

そう祈って生きてきた私は
「愛する誰か」を見つけました
手に入れるまでは
天井から下げた輪っかは
使わない