明朗快活を絵に描いたようなひとの

心の柔らかな部分を傷つけて、



太陽のような笑みが陰るのを見た時

私は初めて、己の過ちに気づくのだ。

空っぽの器になにを入れて満たそう。

知識や処世術やなんかを入れようか。


でも、もし器が壊れたらどうしよう。
知識や処世術で、その傷は防げるだろうか。


愛や信頼やなんかを入れてみようか。

手に入る度欲張りになってもっともっと欲しがってしまう。

空の器になにを入れよう。



あぁ、なんか。人生みたいだ。

泣いているあなたの手を取って、その涙を拭いたいのに。


私の声も、伸ばした手も、想いも

何もかもが届かない。



あなたと同じ場所に立てないことが、こんなにも悔しい。

あなたの隣は世界で一番息がしやすい。

ひとくち、口に入れたチョコレートは

こんなにも甘いのに


脳裏にうかぶのは苦い思い出ばかり。