4/17/2023, 6:01:18 PM
ここではないどこかに、
これではないなにかに
いまではないいつかに
何か、忘れてきてしまったような気がして、振りかえる。
いまではない””もしか”に
自分ではない”だれか”と
この世界ではないどこかで
約束したことを忘れてしまったような気がして。
帰り道をなくしてしまったような気がして。
4/11/2023, 9:47:41 AM
春は光る。
いつでも、
何度でも、
私がたとえ目をつぶっても。
色を連れて。
匂いがする、花の開く気配が、渦を巻く風が。
空の高さを下げながら、つま先ばかり見ている私の頭の上で光始める。
顔を上げれば、爛漫の。
4/5/2023, 10:18:32 AM
「秘密だよ」
波打ち際につま先を浸して、君は言う。
「誰にも言わないでね」
満天の星というのは、ただ夜空に浮かぶ程度ではなく
何億の光が本当に夜空を埋め尽くすのだと。
海はたとえ夜になろうとも青いのだと。
「――お別れ、なんだ」
僕に教えてくれた君の目に、星ではない光。
4/4/2023, 3:28:17 AM
一つだけ、選ぶのならば。
一つだけ、残すのならば。
答えはとても単純で、ただひたすらこの手に収まるだけを
自分をかけて守りたい心のままに選べるのに。
一つだけ、手放すならば。
……ただ一つだけ自分の罪にするならば。
信頼と愛との形として、君を選びたい。
4/2/2023, 5:36:15 PM
手を離したら二度と戻らないもの。
かけてしまったら、治らないもの。
あるというだけで意味が見えるもの。
「ある」ことにすら気がつけないほど、
私の中で当たり前になっていた事実を
どうして今更、不在の形で確かめさせるの。