ねぇ、なーちゃん。
ヒーローか、敵、結婚するならどっち?
さやかはねー、敵!
だって、ヒーローは平和のためにさやかよりも世界を優先するでしょ?
でも敵ならさやかを一番に考えてくれるじゃん!
あっ!今そんなことはないって思ったでしょ
でもさ、かくりつ?的にゆえばそういうもんなんじゃないのかなぁ。
いや、そういうもんではないのか?
うーん、なんかもうわからんわ!
ねぇ、なーちゃん。
さやかはなーちゃん一番だからね!
お父さんはよく昔話をする。
玻乃はちっちゃい時こんなだったとか、お母さんはあんなだったとか、そんな話。
今日も私のちっちゃい頃のことを話してた。
その日はちょうど双子座流星群がよく見える日で、私たち三人は星空を見に山へ行ったらしい。
しばらくすると、流れ星が流れたという。
かね かね かね
私は流れ星が見えた途端そう言ったそうだ。
確かに、お金があれば欲しいものは買えるだろう。
小さい時から現金な子だったのだろうか。
今もお金は大切だと思う。
でももっと大切なものをもう持っている。
大丈夫、僕たちは強い絆で繋がっているんだから!
昔、お前はそう言った。
今でも俺たちはたまに飲みにいくくらいの仲ではある。
夜風にあたりながら当時のことを思い出す。
あの日、お前がここを離れると告げた日
俺はお前と離れるのが辛くて泣きじゃくってた。
そんな俺に告げた言葉。実は続きがある。
大丈夫、僕たちは強い絆で繋がっているんだから!
だから真人、泣かないで、
ねぇ真人、絆って何処にあると思う?
僕はね、ここだと思うんだ。
僕の手と真人の手の間。
寂しい時苦しい時、こうやって手を前に出してみて。
僕も、辛い時、真人に自慢したいって時にもするよ!
確かこの後も何かを言ってた気がするが覚えていない。
まあ、小学生の頃だから覚えていなくても仕方ないだろう。今でも俺は、何かあったら手を前に出して元気をもらっているよ。
たまには素直になってみようじゃないか。
そこのお山座りでしょげてる白冨君よ。
君の可愛い不貞腐れ方が好きだ。
口いっぱいに食べ物をつめるところが好きだ。
少しクセのある笑い方が好きだ。
努力を惜しまないところが好きだ。
挨拶、お礼をきちんとするところが好きだ。
君の好きなところ、日に日に増えていく。
それくらい、君は魅力的な人だ。
白冨君に出会えてよかった。
ありがとう。
ふみへ
突然いなくなってごめん。
手紙でしか伝えることができない私は臆病ものだね。
今まで本当に、本当にありがとう。
辛い時、悲しい時、そばで何も言わずにいてくれて、支えてくれてありがとう。
嬉しい時、楽しい時、一緒にバカみたいに笑ってくれてありがとう。
私は、ふみと住む世界が違う。
白い世界で生きてないんだ、。
詳しくは言えない、この手紙もできることなら燃やして欲しい。でも、持っていて欲しいとも思ってしまう、、
矛盾してるね、。
本当はすぐにここを出ていくつもりだった。
だけどさ、すごくふみとの何気ない会話や空間が楽しくて、居心地が良くて。少し、いやだいぶ、甘えてしまってたんだ。
でも、もうここにはいられない。会うこともないと思う。
ふみと過ごした一年半、私は一生忘れない。
どうか幸せに平和に過ごしてね。
いつもふみの幸せを願ってる。
しらゆきより