9/26/2025, 3:41:24 PM
コーヒーが冷めないうちに…
伝えると決めた。
何か時間の目安をつけないと多分私はずっと伝えることができないまま今日のこの人との時間が終わってしまうだろう。
五十路にもなって
「好きです。」
なんて告白をしようだなんて、気でも触れたのではないかと思われないだろうか。
私の様子はおかしくないだろうか。
私はこれまで人に自分から好きと言えたことがなく、いつも相手からのお誘いで恋人になったり、結婚だってそうだった。
モテてるわけではない。断らなかっただけ。
自分の好きな人と結ばれることはなかった。
そしてそのパターンはいつも悲劇に終わり、愛を約束したはずの人とも離れた。
すっかり愛に捻くれた私は、そんな恋だ愛だというものを諦めていたのに、そんな時に現れた。
結果はどうであれ、私はこれまでずっとできなかった事をやらなければ、ずっと捻たまま、このまま気づいたら人生の終わり頃になってしまいそう。
だから、伝えたいのだ。
一度くらい、自分から気持ちを。
コーヒーが冷めないうちに。
「あのね…私はね、あなたがね…」
「コーヒーが冷めないうちに」
9/26/2025, 12:50:16 AM
彼はパラレルワールドに行ったんだ。
パラレルワールドって行くっていうのかしら。
ある日突然、ここでの彼がいなくなった。
同じような、どこか違うような別の世界で、彼は相変わらず唄っているのだ。
私が彼を見れなくなったことは大したことではない。
彼は在り続けるし、元々在るのだから。
何も変わらない。
変わったように見えるだけ、そう思うだけだ。
悲しくなんかあるものか。
「パラレルワールド」