【病室】
陽の光が差し込む教室
みんなの賑やかな声
駆け回る足音
安心する感覚
でも慣れない
実際にここにいるような感覚ではない
微かに聞こえる一定のリズムでなる電子音
硬い布団の感覚
それらは大きく鮮明になっていき
私を現実へと引き戻す
目を開けて視界に映るのは
所々にシミのある白い天井
点滴に繋がれた折れてしまいそうなほど細い腕
顔につけられた呼吸器
さっきまで見ていたものとはかけ離れた景色
誰が見ても病室だと分かるだろう
唯一の共通点は窓から差し込む陽の光
それだけが変わらず私を包み込んでくれた
【明日、もし晴れたら】
明日、もし晴れたら
外に出てみよう
なんの目的もなく
行きたいと思った方へ行ってみよう
ずっと篭っているから暗くなってしまう
気分が落ち込むと
どんなに周りに人がいたって孤独を感じてしまう
少しでもいいから外に出て
帰りたいと思ったら帰ればいい
帰ったら、自分を褒めてあげる
今日は外に出れた自分偉いって
それぐらいでいい
誰も自分を褒めてはくれないから
認めてはくれないから
それなら自分が自分を褒めてあげればいい
明日、晴れたら日を浴びてみよう
そしたらきっと、自分の心も晴れるから
【だから、一人でいたい。】
他の人より情緒が不安定になりやすい
自分でもそう感じる
何かあったらすぐに気分が落ちてしまう
自然とテンションも下がってしまうし
声のトーンも低くなる
明らかに不機嫌になってしまう
でも他の人に当たるのは違う
ちゃんと自分で分かっているから
放っておいて欲しい
一人にして欲しいのにどうして話しかけてくるの?
どうして近づいてくるの?
ほんとにやめてって
その気遣いが逆にストレスなんだって
貴方はそうされるのを望むのかもしれないけれど
私は違う
あなたじゃないから
貴方を大切にしたいから
貴方を傷つけたくないから
だから、今だけは一人でいたい。
【嵐が来ようとも】
たとえ嵐が来ようとも私が止まることはない
何があっても歩き続ける
嵐が来ようと止まることは許されない
歩き続けなければいけない
どんなに疲れても
雨に打たれようと
風に吹かれようと
休むことを許してはもらえない
嵐の日ぐらい休んでもいい
晴れてる日も
曇っている日も
毎日毎日頑張っているんだから
頑張りすぎたらいつか動かなくなってしまう
動かなくなってしまったら意味がないよ
それなら適度に休んで
また頑張ればいい
その方が効率もいいしね
【神様が舞い降りてきて、こう言った。】
この世界に主役も脇役もない
そんなものはつくっていない
だから
主人公のような性格のやつや
主人公補正かのような才能を持っているやつ
たくさんいる
主役がいるならそれは1人で十分
でもこの世界にはそんなやつらが大勢いる
要は全員が主役であって
全員が脇役であるということ
主人公って言ったっていろんなやつがいる
落ちこぼれだとか
優等生だとか
正反対であっても主人公になりうることがある
それこそ脇役視点の物語なんかは
主人公はその脇役だし
自分の人生においての主役は自分で
他の人の人生においては脇役
だから自分は所詮脇役だからとかいう考えは捨てろ
という訳の分からないことを残して
神様と名乗った人は消えていった