忘れられない、いつまでも
君と出会った日
正確な日付は覚えていないのに
風が強く吹いていたこと
君の髪が風に靡いていたこと
目があった瞬間の鼓動
細かいことは鮮明に覚えている
初めて二人で出かけた日
暑くもないのに手汗が酷くて
手を繋ぐこともできなかった
君は笑っていただろうか
表情を思い出せないのは
きっと君の顔を見ることもできなかったから
初めて喧嘩した日
未熟で拙かった僕は
君に伝える言葉を間違えた
君も僕も余裕なんてなくて
ただ目の前のことで精一杯で
君の涙を見たときに
僕は本当の意味で後悔を知った
忘れたくない、いつまでも
些細なことで笑いあったり
ちょっとしたことで喧嘩したり
きっとどこにでもあるような話だけど
ありきたりな思い出だけど
君との日々を振り返るこの時間は
僕にとってはかけがえのない宝物
ぺらり
ページをめくる
さて、今日はどの写真の話をしようか
今でも鮮明に覚えている
あの日の温度、空気、色
振り向き様の眩しい笑顔
まさしく稲妻に撃たれたようだった
懐かしんで語る貴方は
大事なことを覚えてないみたい
初恋は
叶わないというけれど
通説は疑ってみるものよ
少なくとも貴方は
幸運を掴んでいるのだから
聞こえてくるのはなんの音?
トントン
グツグツ
ジュージュー
鼻先をくすぐるいい匂い
そろそろ起きないと
そうは思うけど
体はまだまだ寝たりないみたい
カチャカチャ
コトン
パタパタ
微睡みの中で耳を澄ます
寝ぼけ眼を擦って
温かな布団から抜け出す
いただきます
気が付くと
すべて終わっていた
気付いたときには
触れることもできなかった
君の泣き声が響く部屋で
君を眺めることしかできなかった
涙を拭うこともできなくなった手を見下ろし
後悔の味を知る
僕のために泣かないで
どうか忘れて笑っていて
風に乗って
この声が
いつか
君に届きますように
善とはなにかと問われれば
ある人は
善いことを成す様だ
と言い
ある人は
人のあるべき姿だ
と言い
ある人は
人の誇るべき美徳だ
と言う
悪とはなにかと問われれば
ある人は
害悪を成す様だ
と言い
ある人は
唾棄すべき醜悪さだ
と言い
ある人は
憎むべき汚点だ
と言う
悪人が成す善があるように
善人が成す悪もある
であれば
善とは
悪とは
いったいなにを示すのだろうか