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10/23/2024, 2:04:01 PM

【どこまでもつづく青い空】


見える限りずっとずっと奥まで、ずっと青い空

まだほんの幼児の頃、父に連れられて
丘の上から飛行機を飛ばした
当時流行していた大きな木のラジコン機
さすがに上空で乗ることはできなかったけれど、
地上でまたがることくらいはできる大きさだった

丘の上からの景色は、今はもうない、おそらく
眼下には刈取の終わった田んぼがひろがる
思い出すたびに丘は高くなるようだ
嬉々として飛ばされた機体は、吹き上げる初秋の風に煽られ、頼りなく回転しながら
田んぼの土の上に容赦なく墜落した
そしてぽっきりと右翼が損壊した

その田んぼがどこの誰の持ち物だったのか、
あの丘はどこの丘なのか、
あの空はどこで見たのだったか、
夢の話なのか、想像の話なのか、
薄い水色の空がずうっと向こうまで続いている

10/22/2024, 2:49:36 PM

【衣替え】


白いシャツが黒い詰襟に変わる日を忘れられない
禁欲的なその佇まいはうっとりするほど美しくて
自分は永遠に着られないその上着の下の体温に憧れた

あなたほど、詰襟の似合うひとはいなかった
あなたのようになりたかった

凛として寡黙で、時々子どものように無邪気に笑う

10/18/2024, 2:08:47 PM

【秋晴れ】


小鳥のさえずりが響く
声のしたほうに、その姿を探す
窓から見える公園の木々は、もう初秋だというのにまだまだ元気いっぱいだ
四方にのびた枝をおおっている艶のある深緑の葉が、
かわいた風にざわざわと揺れる
葉っぱの色のうすいところがきらきら光って、初夏みたいだなと思う
その大きなクスノキの枝のなかで、小鳥が鳴いているみたいだ

ここから見る景色がすきだった
なんていい気分なんだろう
こんなに心が軽いのはひさしぶりだ

10/17/2024, 11:44:21 AM

【忘れたくても忘れられない】


覚えていたくても覚えていられない
システムの内容も、受診の日時も、聞きたいことも
あかんなぁ

忘れるためには、思い出さないことが大切なんだとか
思い出しそうになったら、そのキッカケをぷつっと切る

覚えるためには、その逆?
「そのロジックは組んでないから」とか言ってたな?
なかなかむずかしいな、
興味のないことを思い出そうとするのは

10/14/2024, 12:11:03 PM

【高く高く】


高く、高く、大きく、もっと大きく
枝を広げ 幹を伸ばし
葉っぱから根っこの先まで
太陽と風と大地を
からだいっぱい吸い込んで
真夏の樹のように いのち輝くとき
その歌で今をつくり
そのことばで今をひらき
我ら 爽やかに育つだろう


たかく、と聞くと思い出されるこの歌
大好きだった音楽の先生、
自然と人間を讃える優しく力強いうたをたくさん教えてくれた
今でも、あの時のピアノが私のまんなかを守ってくれてます

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