【私の名前】
姓は公のものだけど、名は私的なもの
人の名に使われている漢字を見た時、
そのひとの背景を知ったような気がしてしまう
ご家族が選んだのであろうその名前、その漢字
優雅な響き 柔和な印象 軽やか 真面目
意志が強そうだ 歯切れがいいな
私の名前はどんな印象をあたえるんだろう
SNSに流れてくる嫌なまんがに、同じ名前を見た
嫌なやつが同じ名前だったら悲しくなるよね
【私だけ】
おぼえてる
泣いている
笑っている
飛び跳ねる
見えない
は、わかる
の時間
のとくべつ
のひみつ
【遠い日の記憶】
街なかで君の香りがしたよ
思わず振り返ったけど、べつのひとだった
とあなたが笑ったのを思い出しながら香水を振る
【空を見上げて心に浮かんだこと】
夜空を横切っていく白い巨人
月の光でぼんやり浮き上がって、
まるでその羽衣で町をつつむみたいに
微笑みをはりつけたまま上空を通っていく
朝焼けの空はどこまでもつづく
追ってくる太陽からにげるようにして飛行機は飛ぶ
紺色から緋色に美しいグラデーションをつくって
ほら、もう朝が来るんだね
夕焼けのずっと向こうには彼の国があるって、
昔だれかが教えてくれた
あなたが夕暮れ時を怖がった理由を
私はいまも考え続けている
どうして空が青く見えるのか、
大気のベールを通した宇宙の色だとか
太陽の光に隠された闇の色だとか
それでもずっと解けないでいる、青の秘密
この空はあなたの上にもひろがっている
はるか彼方であなたが生きている
どこかに君を隠している、ぼくの花を隠している、
だからこの空にあこがれる
いつか、あなたに会えるといい
【1件のLINE】
たった1件のLINEで
気持ちがぱあっとなるときもあるし
なんっかもやもやするときもあるし
深読みして気分わるくなるときもあるし
ほんま勘弁してくれ、文字
文字ってつよいやん
字面がつよいし、残像もひどいやん
考えすぎたら忘れられないどころか
ますますクッキリするやん
引きずるし
今の私みたいに
あぁーもやもやするわー