どれほどの年月が過ぎたろうか。
満ちては欠ける月を幾度も見送り、廻り続ける星の絵画を眺め続けた。
老いも無く、死も無く。
生きたいわけでもなく、死にたいわけでもなく。
ただずっと、息をしていた。
けれどふと思ったのだ、"人として死にたいな"と。
いつの日かの、眩さと笑顔の記憶が脳裏をよぎって行って。
なんだ、きっと無意識に避けていただけで、それは簡単に実現できる。
何をしても生をやめなかったこの身も、おそらく呆気なく終わるのだろう。
いつもより夜更かしで考え事をしていたから、扉を開けばわたしを覆う日陰の先、燦々と降り注ぐ熱。
その熱源を視界の端に収められるよう、顔を上げて。
人らしくあれるよう、満面の笑みを浮かべて。
この身を焼き焦がすその場所へ、全身を預ける。
わたしは、人であれただろうか。
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太陽の下で
先々週は、洗濯するのをやめた。
先週は、ご飯作るのをやめた。
今週は、部屋から出るのをやめた。
来週は、息するのをやめてるだろうか。
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落ちていく
コネコチャン!!!!!!!!コネコ!!!!!コネコチャン!!!!!!!!!!!!!!コネココネココネコチャン!!!!!!!!!!!!!!!!!アアア!!!!!コネコチャァァン!!!!!!!!!!!!!!!クンカクンカス-...ハ-...スゥ-......ハァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアコネコチャアアアアアアアアアアアアアアアンンンンァァァァァアアアアアアアアコネコチャァァァァァァァアアアアンアアアアアアコネコチャン!!!!!!!!!ハァハァコネコチャ...コネコチャンコネコチャンモフモフハァハァモフモフ!!!!!コネコチャンモフモフフワフワ!!!!!!!!ハァァァァ!!!!!!!!!!!ンァァァァアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!コネコチャンコネコチャンコネコチャァァン!!!!!!!!!!!コネコチャンアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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子猫
変わらない温度、焼かれるような毎日は永遠のように思っていた。
けれど終われば、それは一瞬、刹那の夢。
ほんの二ヶ月の、幻。
あんなに長いと思っていたのに、終わってしまった。
あんなに変わらないと思っていたのに、もう気配さえ残らない。
たくさんの希望と、たくさんの物語と、たくさんの思い出の詰まった時節。
ああ、君が手を振っていたのを覚えている。
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夏
ずっと、空想をしていた。
常時見せられる現実は、あんまりにもやさしくないから。
ずっと、願っていた。
苦しい場所から、逃げ出すことを。
けれど、ああ、だんだんと、空想もできなくなってきて。
今日に至っては、日が落ちても、まだ空想の世界が作れない。
一体、全体、何処へ逃げれば、いいというのか。
暗闇の道へ飛び出して、あてどなく歩を進める。
夜の帳のもと、現実に疲れた足取りを、あのまんまるに輝くお月さまが導いてくれるような気がした。
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ここではないどこか