声が、聞こえる。
悲痛に叫ぶ弱者の声が。
声が、聞こえる。
憤怒に塗れた強者の声が。
声が、声なんか聞こえなければいいのに。
そうしたら、弱者も強者も何も聞こえない。
静かで、少しの間、静かな場所に行きたいだけ。
私は大丈夫と言い聞かせる。
私はすごいと言い聞かせる。
私はダメなんだと植え付ける。
私は天才だと言い聞かせる。
私は唯一無二と言い聞かせる。
私は替えがいると植え付ける。
私は優しいと言い聞かせる。
私は強い人と言い聞かせる。
私は真新しい傷を植え付ける。
私は愛されていると言い聞かせる。
私は人気と言い聞かせる。
私は自己暗示を植え付ける。
私は絶対無理と言い聞かせる。
私は変われないと言い聞かせる。
だから、私は私であるように植え付けている。
どんなに嫌なことがあっても。
どんなに心折れても。
どんなに苦しくても。
どんなに悲しくても。
私の気持ちは置いてけぼりのまま、みんなは進む。
みんなは前を見て進むのに、私はついていけない。
どんなに嫌なことがあっても。
どんなに心折れても。
どんなに苦しくても。
どんなに悲しくても。
私は前を見なきゃ行けない。
私を待つ、世界はいない。
私を待つ、時間さえ無い。
私の日記帳
読み返していれば色んな感情が湧く。
過去の失態を綴った日記に、過去の理不尽な扱いを受けたことを綴る日記に、友人とバカをしたことを綴った日記。
本当にこの数年で、幸も不幸も天も底もあった。
短い1年、長い1日。読み返すとそう感じる。
日記を読めば、過去を少し覗き見できるような気がして。
日記を読めば、現実から少しだけ違う世界に耽けれるような気がして。
日記を読めば、辛い心さえもいい思い出が連れ去ってくれる気がして。
過去の私は未来の私がこんなふうに日記を読むことすら知らずに、ただひたすらに日々のあったことをつらつらと書き連ねてるのだろう。
それでいい、それでいい。
その行為は、未来の私のためになる。
その行為は、大事を忘れないきっかけになる。
不安と不安の向かい合わせ。
数多し、何がどう不安かさえ真暗で先が見えない。
それもまた不安で。
不安と不安の向かい合わせ。
時止まぬ、地球は都合不都合無く回り明日が近づく。
それもまた不安で。
不安と不安の向かい合わせ。
我が身、いずれ死ぬ。それ考えて行き着く先は果てなき孤独。
それもまた不安で。
不安と不安の向かい合わせ。
我が身案じる、健康でありたいと思うも既に呼吸が苦しくて。
それもまた不安で。
尽きぬ不安に、駈ける不安。
時は待たず、気持ちだけが置いてけぼり。
先が見えない故なのか、乗り越える自信が無い故か。
耐え難い不安に、揺れる不安。